「遊び人ヤンキー」が2020年の日本を救う 藤野英人と木下斉が「ヤンキーの虎」を語る

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例えば、地方自治体が国からの予算を活用してよく用途の分からないコンベンションセンターをつくるんです。地方の街に有名な建築家を連れてくる。有名な建築家は、ゼネコンしか作れないような特殊設計の建築物をつくる。中には雪国で光熱費がたくさんかかるガラス張りの建物を建てようとするわけです。建設費は数百億、さらに維持費だけで毎年数億円、20年後くらいには数十億の大規模修繕を繰り返すことになるわけです。こんなことやって地方が衰退する、運営する第三セクターが潰れそう、そして自治体も財政が大変、国もっと助けてというわけです・・・。

このような酷く稼げない状況があるのに、なおも地方でガンガン稼ぐヤンキーの虎たちを「金儲け主義だ」と批判したりする風潮が未だにある。少なくとも内需を回し、多少なり地域外からも稼ぎを作り出し、税金を使うのではなく、税金を納めている人たちが評価されない。困ったことです。

でも、地域のエリートたる人たちは、「俺たちは勉強して受験に勝ってエリートになった。でも、あいつらはろくでもない高校にいって、単に遊んでいただけじゃないか」という人もいる。

遊んでいる「ヤンキーの虎」は、ニーズがわかる

藤野 「遊んでいる」ってすごく大切なんですよ。地方の魅力的な施設開発は、遊び尽くしたヤンキーの虎がやるから、面白いものができあがるんです。人の欲求や関心をちゃんと分かっているから、そういうものができるんですよね。

「300万円でバンバン稼げる施設をつくるのが『ヤンキーの虎』。ツマラナイ人が作れば100億円使ってもまったく稼げない施設をつくる」

木下 同感です。遊ぶこともせず、毎日職場と家の往復だけするような人が、魅力的なビジネスをつくることなんてできません。市場感覚を鍛えるためには適切に遊んでいる人じゃないといけない。これは海外の地域再生のマネジャーたちも口を揃えていうことです。あまり地域活性化分野で表立っていう人いんいだけど、当たり前なことなんですよね。

だから、ツマラナイ人が作れば100億円使っても、誰も利用しない、全く稼げない施設ができるんです。ほんと、100億円使って「人が来ない、稼げない施設をつくる」って、逆にかなりの技術が要ります(笑)

かたや、ヤンキーの虎だったら、300万でバンバン稼げる施設をつくります。地方創生を考えるのならば、彼らに焦点をあてるべきです。

しかし、ヤンキーの虎たちの価値を認めてしまったら、従来の地域のヒエラルキーは崩れてしまうわけです。過去のエリートたちはある種の人生を否定されてしまう。ここに大変な危機感があるように思います。

地元の名門高校を出て、東京の大学を出て、地元の自治体に就職したエリートよりも、実は大したこともない高校を出て、地元でビジネスを回すヤンキーの虎のほうが経済的に価値が高いなんて、認めたくはないのも分からないではありません(笑)。 けど、別に役割分担なんだから、経済面での優位性くらい認めればいいのにと思います。

次ページ地方のエリートにヤンキーの虎をリスペクトさせるには?
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