「本当のお金持ち」が銀行員を信用しない理由 投信、ローン、保険とはこう付き合っている

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③ 相続税のキャッシュがわりとして

3つ目の相続対策は、相続税を支払うキャッシュとして死亡保険金を利用することです。これは一部の大富豪でも行っているかもしれません。

不動産など現金化しづらい遺産を相続するとなると、どうしても金策が必要になります。自分が死んだ直後だというのに、残された家族が銀行を回って頭を下げる姿を想像するというのも悲しいものがあります。死亡保険金なら申請から1週間くらいで振り込まれますので、当面の生活費にもなります。

と、ここまでキャッシュさえあれば保険は要らないという話をしましたが、日本人が世界から見ても非常に高額な保険料を払っている事実に戻りましょう。

保険は人生で2番目に高い買い物

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結論を言えば、自分で資産を築いていく覚悟があるなら保険を解約する選択肢もあると思います。毎月2万円の保険料だとすれば40年間で約1000万円。なかには2000万円近く支払っている世帯もあります。保険は家についで人生で2番目に高い買い物と言われるゆえんです。

それだけのおカネを使うなら、自分で毎月2万円を積み立てして資産運用をするなり、まだ若いのであれば自己投資に回したほうが将来のリターンは大きくなる可能性があります。そもそも健康保険料はすでに払っているわけですからね。

仮に積み立て型の保険を選んだとしても長い人生ですから、いつまとまったおカネが必要になるかわかりません。そのとき途中解約したら利回りが生まれるどころかマイナスになるケースがほとんどです。もっと大局的にみれば、保険会社は顧客から集めた保険料を元手に投資をしておカネを増やしています。それがいいか悪いかの次元ではなく、もしそうであるなら自分で運用したほうがいいのではないかと、少なくとも投資マインドが強い人たちの中にはそう思っている人もいます。

冨田 和成 ZUU代表取締役

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とみた かずまさ / Kazumasa Tomita

神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォーム運営、月間訪問者数は650万人を超える。金融機関や不動産業界のフィンテック化の推進支援や企業に対して鬼速PDCAシステムを導入する鬼速PDCAエンジニアリング事業を展開。監査法人トーマツ主催「日本テクノロジー Fast50」にて2年連続上位受賞(2016年度日本1位・アジア太平洋地域8位、2017年度日本3位)。2018年6月、設立約5年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。著書に『大富豪が実践しているお金の哲学』『鬼速PDCA』『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』(クロスメディア・パブリッシング)、『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』(ダイヤモンド社)、『稼ぐ人が実践しているお金のPDCA』(KADOKAWA)など。
ZUUonline:https://zuuonline.com
DAILYANDS:https://daily-ands.jp/

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