「本当のお金持ち」が銀行員を信用しない理由 投信、ローン、保険とはこう付き合っている
かつてソフトバンクがボーダフォンを買収したときにレバレッジドバイアウト(LBO)と呼ばれる、日本ではあまりなじみのないスキームで資金調達しました。事業を担保におカネを借りたのです。調達した資金は当時のソフトバンクからすると巨額の1兆0800億円。しかし、孫正義社長はボーダフォン買収によって調達コストを上回る利益が生めると読んだわけです。これだけの規模で利ざやの発想を持てるのは孫社長だからこそできることでしょう。
「背伸び」でおカネを生み出している
当然、個人の資産運用でもこの考え方は多用されます。たとえば、ドルキャリー取引や円キャリー取引と呼ばれるものは低い金利コストでおカネを調達して高金利で運用することでその利ざやを狙いにいきます。また、海外のプライベートバンクの顧客は、株式や債券投資の際に、現金を使うのではなく株式や債券自体を担保にしておカネを借りて、さらに株や債券を買うということもあります。いずれも「背伸び」でおカネを生み出しています。
一般人の感覚では「余剰資金がない自分たちには投資はできない」と思いこんでいますが、それは現金を伴う投資の話だけです。たとえば、大企業に長年勤めるサラリーマンであれば与信が高いので、中古のワンルームマンション投資のための購入資金(1000万円弱)くらいなら、数百万円前半の頭金さえ用意すればなんなく借りることができます。
もっと身近な例で説明しましょう。たとえば、最新のパソコンを買うにあたって一括で買えるまでおカネを貯めるか、ローンを組むかを考えたとき、そのパソコンを買うことで本体価格と利息を合わせた額以上に収入が増えると想定できるなら、ローンで買うべきでしょう。
一括払いにこだわることで機会損失につながりはしないかというところまで思慮できるかが肝心です。
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