【第2ラウンド】
次に第2ラウンド。
第2ラウンドでは、第1ラウンドでリジェクトされてしまっただいきが、今度は第2希望の女性あいにプロポーズする。
そうすると、第1ラウンドで既にともきと仮マッチしているあいのところに、新たにだいきがやってくることになる。
ここであいのリストを見ると、だいきはともきよりも優先順位が高い。
よって、あいは仮マッチしていたともきをリジェクト、キープする相手を新たにプロポーズしてきただいきに切り替えるのだ。
ここまでが第2ラウンド。
さて、第1ラウンドではあいと仮マッチ状態にあったともきだが、第2ラウンドの結果リジェクトされてしまった。このともきが次のプロポーズを行うのが第3ラウンドだ。
【第3ラウンド】
第3ラウンドでは、まずともきの好みのランキングを確認する。
ともきは第2ラウンドで、第1希望のあいにリジェクトされてしまっているので、この第3ラウンドでは第2希望のるいにプロポーズすることになる。
もともとこうきをキープしていたるいだが、そこにともきがやってくる。
るいのランキング順位は 、仮マッチしていたこうきよりも、後からやってきたともきのほうが高い。るいは第2希望のこうきと別れて、第1希望のともきに相手を切り替える。
これで第3ラウンドは終了だ。
【第4ラウンド】
第4ラウンドでは、第1ラウンドで仮マッチしたものの、第3ラウンドで第1希望のるいにリジェクトされてしまったこうきが、第2希望のひとみにプロポーズすることになる。
すると、まだどの男性とも仮マッチしていなかったひとみが、ここにきてプロポーズしてきたこうきをキープする。
こうきがひとみと仮マッチすると、これ以上は誰もリジェクトされなくなる。
ここでステップは終了、GSアルゴリズムは止まるのだ。
【最終結果】
第4ラウンド時点での仮マッチ、
こうきとひとみ
だいきとあい
ともきとるい
というペアが、最終的なマッチング結果となる。
以上が本誌で紹介しきれなかった、このケースにおけるGSアルゴリズムの細かな手順だ。
ここでは、合コンを例にGSアルゴリズムを紹介したが、人と人、人と組織など、二つの異なるグループのメンバー同士をマッチングさせるような例は枚挙に暇がない。GSアルゴリズムを応用できる場面は、日常や職場の中にもあるだろう。経済学の知見を、ぜひ色々なかたちで活用してほしい。
図表作成:安田洋祐
(担当者通信欄)
ゲール=シャプレーアルゴリズムの細かな手順を理解できました!「週刊東洋経済」を読んで、この記事を探してくださったみなさま、ありがとうございました。
ちなみに、自分がキープされたり、リジェクトされたりすることを考えると、ぞっとしない話ですが、実際にはそんな心配はありません。
その理由なども解説されている連載第2回。未読の方は、今年のノーベル経済学賞について、GSアルゴリズムにおける重要な概念「安定性」や細かな性質について、さらに雄弁に語る、本誌「週刊東洋経済」(2012/11/12発売号)「インセンティブの作法」第2回【理想のパートナーはマッチング理論で……】も、ぜひ合わせてご覧ください。
11/12発売号の特集は、「解雇・リストラ新時代」です。
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