英国最大の鉄道計画に日立が切り込めたワケ キーマンを直撃

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プロジェクトをやっていくうえでは想定外のことがいろいろ起きるわけです。それを解決するに当たっては、やはり国々によって、考え方や解決の仕方が違うと思うんですよ。そこは、日本人のやり方を押し付けるのではなくて、向こうのやり方を重要視して解決していくことが大切なのではないか。

--インフラ輸出という観点では、現地の人材の活用も含めて、マネジメントの進化が求められるということですね。

私もそう思います。

--英国の鉄道プロジェクトは社内的にも、かなりうまくいった成功例ですね。これをベストプラクティスとして、ノウハウを電力システムとか、他のインフラ関連部門にも応用していくことは?

そういうプロジェクトも動き始めていると聞いています。成功例として、教科書的なものにはなりうるかと思います。

 

 

--IEPに向けて、英国は今、どんな段階に来ていますか?

人材を盛んに採用しているところですね。最初の車両は15年にプロトタイプを納めますので、工場建設も16年までに終わらせなければならない。それからメンテナンスのデポも建設していかなくてはいけない。ですから、いくつものことを同時並行的にやっていかなくてはいけない。車体、車両のものづくりは日本を中心にして、工場、デポの建設は現地中心にやっていく。現地ではまずプロジェクトマネジャーを採用して、そのプロマネを中心に、ほかのマネジャークラスも採用していく。

まあ、あまり日本人があれがいい、これがいいと言わないほうがいいですね。採用も彼らの責任に任せる。そうしないと、仮に事件が起きたときなんかも、植田がダメなんだとなりかねないので(笑)。自分の責任を自分で負わせるのがいちばんいい。もちろん、こういうやり方は、任せるほうとしてもハラハラするけれども、そこは我慢してやっていくしかないですね。

 

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