「美ジョガー」の超過酷なマラソンストーリー 爽やかな笑顔の裏に秘めた、ド根性の理由

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しかし30キロを過ぎると、かなり過酷な状況に陥った。ランナーズハイの効果もさらなる限界に達し、奈苗さんは脱水症状のうえ、常に足を痛めた状態で、引きずるように歩くような形になってしまった。

体力の限界を超えたあとは、自分との闘い

自分に負けないための修業のようなもの

「もうそこからは、体力ではなくメンタルの問題に入りました。“もうやめたい、ツラい、止まってしまいたい!”という気持ちと、“いや、とりあえず一歩でも前に進もう、頑張ろう、負けちゃダメだ!”という気持ちの戦いでした(笑)」

自分の中の天使と悪魔の声に葛藤しながら、痛めた足でとにかく一歩一歩足を進めていった。体力が限界を超えると、次は自分の精神との闘いになる。とにかく一歩でもゴールへ近づこうと必死だった。

「また、他のランナーや観客の方の応援がとても励みになりました。私がヘトヘトになっている傍らを、かなりご高齢のおじいちゃんに“頑張って!”と颯爽と抜かされたりするんですよね。そうすると、私だってもっと頑張れる!と少し元気が湧いてきたりしました」

そんな過酷な経験をした奈苗さんは、その気合で無事フルマラソンのゴールを果たした。彼女いわく、それは自分に負けないための、修業のようなものであり、マラソンはメンタルを鍛えるスポーツとも言えるそうだ。

一見か弱そうにすら見える奈苗さん。何という根性の持ち主だろうか!

新しい仲間と出会えるコミュニケーションの場でもある

「きっかけは仕事でしたが、私は数あるスポーツの中でもやっぱり朝ランが好きです。通りすがりの知らない人同士が挨拶をしたり、顔見知りになって会話をするようになったり。ランニングを始めてから、ランナー仲間もかなり増えました」

ランニングは身体のメンテナンスや精神力を鍛えるだけでなく、新しい仲間と出会えるコミュニケーションの場としても欠かせない。ランナー仲間は、普段の生活で出会う人脈とはまた違い、スポーツ精神で爽やかに繋がっている。その関係性も奈苗さんは好きだという。

早朝の皇居で交わす「おはようございます」の一言だけでも、爽やかで幸せな気分になれるそうだ。

「マラソン中に、被災地から来たおじさんと会話したこともあります。故郷が暗いムードだから、おじさんがマラソンを走ることで明るい話題を作り、少しでも盛り上げるんだと言っていました。スポーツには、そんな風に周りの人を元気に効果もあるんですよね」

フルマラソンに関しても、1人ではきっと達成できなかったと奈苗さんは語る。ランニングは、体力の限界を超え、自分自身との闘いでもあるスポーツ。だからこそ、応援してくれる人や仲間の存在が大切なのだという。

ランニングサークルなどのコミュニティは、ビジネス街でもどんどん広がり、皇居周辺ではランニングステーションもかなり充実しているようだ。

都会というコンクリートジャングルで消耗している東カレ読者にも、爽やかなランニングをぜひオススメしたい!

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