LGBT1000万人、同性カップル制で変わること 性的マイノリティの"不利益"は解消されるか
そうした状況で、一つの方策として注目されているのが、社外のLGBT関連イベントへの参加だ。米国などで普及している、企業のLGBTフレンドリー度を評価する「HRC(ヒューマンライツキャンペーン)」の指標では、福利厚生などの制度に加えて、社外イベントへの参加が採点対象になっているほどだ。
アパレル大手・米ギャップの日本法人は、社外イベントへの参加に積極的な企業の一つである。LGBTの人へスタイリングの提案を行う社外イベントに、従業員がボランティアとして参加したところ、LGBTへの理解が進み、接客スキルの向上につながっている点で、ビジネスにも貢献しているという。
就活生がLGBT対策について質問
例年5月には東京・代々木公園で日本最大のLGBTの祭典「東京レインボープライド」が開催される。参加者は年々増え、2015年は5万5000人が集まった。
今年ボランティアに参加するソニーでは、社内で参加者を募集したところ、「予想以上の応募があり、関心の高さに驚いている」(ダイバーシティ開発部)という。同社もグループでLGBT関連の制度を導入している。
人手不足が喧伝される中で、LGBT関連施策を講じることは、優秀な人材の引き留めや獲得にもつながる。この春、就職活動している学生からは、各企業がどのような対策を取っているか聞かれる例も出てきているという。
自治体の間でも、渋谷区と世田谷区に続き、今年4月には三重県伊賀市が同性カップルを認定する制度を導入。さらに兵庫県宝塚市や沖縄県那覇市が導入する予定である。今年は官民がタッグで、環境改善に取り組む、LGBT元年となりそうだ。
(「週刊東洋経済」2016年4月23日号<18日発売>「核心リポート04」を転載)
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