職場で嫌われる!「不機嫌な人」の3タイプ タイプ別対処法を知って、自分の身を守ろう

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もし、相手の自己愛を満たしてあげるフリができるのならば、おだてることで一時的に相手に花を持たせるというのも有効な手です。

「自分だけ得したい人の不機嫌」からは…

『職場にいる不機嫌な人たち』西多昌規(KADOKAWA 191ページ 2016/4/15発売) 書影をクリックすると販売サイトへジャンプします

タイプ3の「自分だけ得したい人の不機嫌」は、損得勘定に敏感な人が、損をしそうになったときに発揮するものです。

例えば、

・反対意見を言われると冷たい態度を取る

・誘いを断られると、むくれる

・用事を断ると、偉い人の権威を持ちだして脅す

・成果を挙げられない人を「使えない」と切り捨てる

・自分の欠点を武器に居直る……など

心理学者であるフロイトが提唱した「快感原則と現実原則」という概念があります。「快感原則」は、遊びたい、楽をしたいという近視眼的な快感を求める心の動き。一方の「現実原則」は、長い目で見たときにどうしたほうが有利かを考えて、快楽に流されずに現実的な判断基準を行う心の働きです。

タイプ3の不機嫌を表す人たちは、「快感原則」に則って行動します。不機嫌な態度を取り続ければやがて職場で浮くことは少し考えれば誰にでもわかりそうなものですが、自分だけが得をしたいという誘惑に勝てません。ときには、職場では欠点と見なされがちな新人であることや未経験であることを武器にしてまでメリット(この場合は、主に面倒な仕事をやらずに済ませるという利益)を得ようとします。

自分さえ安泰ならば、他人や組織がどうなろうと知ったことではないのが彼ら。人望がまったくないのが特徴です。

このタイプの人と仕事をする際は、一時的にでも相手に「得をした」と思い込ませるような老獪な手腕が必要になります。あなたが差し出す仕事の成果、つきあいのよさ、あるいは、何が相手のデメリットになるかを教えてあげることなど。こうした「得」を示すだけで、相手の機嫌はずいぶんよくなります。

目先のことしか考えない彼らは、トラブルメーカーでもあるので、飛んでくる火の粉を被らないために、ときには毅然とした対応も必要になります。目上の人にマメに報告を上げていざとなったら味方になってもらう、他の仲間と団結するなどして、自分の身を守りましょう。

ここまで職場でよく見られる3つの不機嫌タイプを挙げてきましたが、何よりも肝心なのは、「自分自身が職場に停滞感をふりまく『不機嫌な人』になってはいないか」と意識することではないでしょうか。

物事が思った通りに進まず不機嫌になることは、誰にでもあります。そんなとき「自分は不機嫌になっている」と自覚することで、不機嫌を振りまく自分に歯止めをかけることができます。やがて落ち着けば、その原因や対処法に思いを巡らすことができるようにもなるでしょう。

快適な職場環境をつくるためには、まずはあなた自身が不機嫌から脱却すること。上機嫌でいようとする意志が、快適な職場環境を作りあげるのです。

西多 昌規 早稲田大学教授 早稲田大学睡眠研究所所長 精神科医

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にしだ まさき / Masaki Nishida

東京医科歯科大学医学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京医科歯科大学大学院助教、自治医科大学講師、スタンフォード大学客員講師などを経て、現職。日本精神神経学会精神科専門医、日本睡眠学会専門医、日本老年精神医学会専門医など。専門は睡眠医学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケアなど。著書に、『休む技術』『休む技術2』(大和書房)、『悪夢障害』(幻冬舎新書)、『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社文庫)などがある。

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