21. 海女の操業の方法は「徒人(カチド)」、「舟人(フナド)」などにわけられる
22. 船などを使わず、岸から桶や浮輪を携えて磯場まで泳いで行なう潜水漁業は「徒人」と呼ばれる
23. 「舟人」は主に男女ペア(夫婦)で行なうもので、男性がよい漁場に船を出し、海女が潜る形態。素早く海底まで達するようにおもりをつけて潜り、浮上するときは腰に縛った命綱を船上の男が巻き上げる
24. 「スカリ」とは獲物を入れる網袋のこと
25. アワビやサザエは腰につける「腰ズカリ」、海藻類は首から下げる「首ズカリ」に入れるなど、採るものによって身に付ける位置が変わる
26. 海底でアワビなどの獲物を見つけたものの息が続かないときは「ヒカリ」と呼ばれる貝殻を目印として置く
27. 磯樽や磯桶は主に徒人海女の道具で、浮きにして、獲物を入れたりつかまって休むのに使われる
28. 現在は磯樽にかわり、「タンボ」と呼ばれるプラスチック製の浮輪が主流となっている
29. アワビなど獲物をとる道具として磯ノミ、カギノミ、アワビオコシがある
道具の発展と、乱獲防止のための制限
30. 海女の必需品のひとつが「磯メガネ」と呼ばれる水中メガネ。現在は目と鼻を入れる「一眼メガネ」が主流
31. 初期の磯メガネは、真鍮や錫でフレームが作られ、左右それぞれの目を覆うゴーグル型だった
32. 水中メガネの普及前は「素目(すめ)」といわれる裸眼で潜水し、ときには水面に油を流して海中を覗いていた
33. 水中メガネが使われ始めたのは明治10年以降。当初アワビがとれ過ぎたため使用禁止になったことも
34. 海女はもともと海に潜る際、上半身裸だった
35. 磯着を着て潜るようになったのは昭和初期より。当初は白い着物を着用し、これはサメよけの効果もあった
36. ウエットスーツは昭和30年代に登場し、またたく間に普及。ナマコ漁など冬の漁も可能となった
37. 乱獲防止のため長時間潜れないようウエットスーツ着用が禁止されていた地域や、一戸に1着のみと制限されている地域もある
38. 志摩の海女たちは手ぬぐいや磯ノミの柄に「セーマン」「ドーマン」と呼ばれる魔除けの印を付けている
39. 「セーマン」は星のマークを一筆書きしたもので、その名は陰陽師の阿倍清明に由来するといわれる
40. 星は一筆書きで元の位置に戻ることから、無事に戻ってこられるようにとの願いをこめている
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