ところで芹様は、あなたの仕事がハードになることで、これまでなじんできた生活のリズムが崩れたり、ゆとり時間がなくなることへの漠然とした不満や不安を抱えているのではないですか。その不安が、このままで良いのかという疑問につながっているのではないでしょうか。50代後半で迎えるこのような変化に、慎重になるのは当然です。
一方、視点を変えると、あなたはまだ57歳ということですから、若いとも言えます。しかもその年齢で、銀行業務という専門職で、責任ある仕事を任せられる人として、銀行から必要とされています。しかし、あなたが銀行から必要とされる期間も、あと数年です。
仕事で人に求められるのは最高の幸せ
幸福度の尺度はいろいろありますが、人の役に立っていること、あるいは自分が誰かに必要とされていることを、その尺度に入れる人は多いです。それに基づけば子どもにも手がかからなくなったあなたは、かなり幸運な58歳を迎えようとしています。
しかもあなたが仰っておられるように、「仕事をすることで救われてきた面」も当然あるわけです。この「救われてきた面」にはどのようなものがあったのでしょうか。①経済的なゆとりが得られた。②仕事を通じて社会とつながり、社会貢献ができた。③仕事上の達成感を経験した。④視野が広がり、仕事をしていなかった時期より向上心が持続できたなど。他にもいろいろ考えられますが、⑤仕事をすることで乗り越えるべき壁が高くなり、生活面での小さなことで、くよくよしなくなった、という声もよく聞きます。
銀行からご苦労様でしたといわれるまで活躍し、残された人生の更なる有効活用は、退職後の楽しみにとっておくという心づもりにされてはいかがですか。
110歳まで現役を目標にされている104歳の医師の日野原重明先生は、今も2~3年先のスケジュールがびっしり詰まっているそうです。大病を患われた93歳の瀬戸内寂聴さんは、今も創作意欲は衰えていないと仰います。吉行あぐりさんは98歳まで現役美容師でした。
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