ファミマが日本郵政グループと提携するワケ コンビニ3位脱出へ布石、どうするローソン
しかも、今後は「2017年1月からの1年間で、2000~4000台のゆうちょ銀行ATMをファミリーマートの店舗に導入する予定」(長門正貢・日本郵政社長)、「現在、都心店を中心に設置しているゆうちょ銀のATMは、手数料収入が好調で、効率よく展開できている。検証しながら地方でも展開していきたい」(玉巻裕章・ファミリーマート取締役)。
この9月にはユニー・ファミリーマートHDの誕生で、ファミマの店舗は国内で約1万8000となる。仮にファミマ店舗のすべてのATMがゆうちょATMに置き換われば、ゆうちょ銀のATMは一挙に4万5000前後まで拡大することになる。
ただ、毎年1000店程度の新規出店分や、サークルKサンクスからの転換店への、ゆうちょATM導入は比較的スムーズに進むとしても、課題はイーネットATMを導入している既存店舗の転換がどの程度迅速に進むかだ。
イーネットは、ファミマやサークルKサンクスなどのコンビニのほか、メガバンクや地方銀行など計68社が出資する「寄り合い所帯」。地方銀行は、ゆうちょ銀行とはライバル関係にあるため、イーネットのATMが、ゆうちょATMに置き換わるには、時間がかかる可能性もある。
焦点はローソンの動き
今回、コンビニ3位のファミマは、日本郵政との提携強化で、セブンに比べて大きく劣っていた金融事業を補完し、さらに越境ECという海外需要をも取り込む流れをつくった。となると、今後焦点となるのがコンビニ2位のローソンだ。
そもそも日本郵政グループとローソンは、前のトップだった新浪剛史氏(現サントリーHD社長)時代に提携で先行したものの、その後は事実上停滞。「今回の提携は、排他的ではない」(長門・日本郵政社長)というものの、ファミマが事実上、日本郵政とがっちり手を組んだことで、ローソンが金融分野をどうするのか、がぜん注目を集めることとなりそうだ。
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