「選択の科学」からみたトランプと大統領選

"選択"の専門家・アイエンガー教授に聞く

アイエンガー教授は著書『選択の科学』で「選択」の力を探求した
なぜ「選択」が重要なのか。そもそも人々はどのように選択を行っているのか。こうした疑問やさまざまな研究を紹介した著書、『選択の科学』(原題:The Art of Choosing)が2010年に日本で出版されると、大きな反響を巻き起こした。
著者のシーナ・アイエンガー(Sheena S.Iyengar)教授は1969年、カナダのトロント生まれ。両親はインド・デリーからの移民でシーク教徒だった。72年に米国に移住し、3歳のときに先天性網膜変性、稀有な網膜色素変性と診断され、高校生になる頃に全盲となった。しかし、アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力であると教えられ、大学進学後、研究テーマにすることを思い立つ。ペンシルバニア大学ウォートンスクールの経済学士、心理学士を修了後、スタンフォード大学で社会心理学の博士号を取得した。現在ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクール教授。夫と11歳の子どもがいる。
アイエンガー教授は3月に来日、都内で講演を行った。以下は、講演後にアイエンガー教授にインタビューした内容である。

 

――講演会後、講演を聴いた多くの女性たちから、まるでアイドルのように囲まれ、相談を受けていましたね。

いろんな質問を受けました。共通点はありませんが、たとえば、起業家になりたいとか、離婚すべきかどうかとか。私の付加価値は何でしょうか、という質問もありました。

――日本の女性に対し、どんな印象を持っていますか。彼女たちが共通して尋ねる質問はあるのですか。

私の個人的感想ですが、日本の女性は、どうしたらもっと選択の幅が広がるのか、という質問をすることが多いですね。キャリアの選択をもっと増やしたいとか、選ぶのが怖いのだが、どうやって選んだら良いのか、とか。でも、みんなだいたいすごく落ち着いていて、話もうまい人が多いのが共通点だと思います。

多すぎる選択肢をカットすることが重要

――今日の講演では、選択に際しては「4つのC」が重要だ、というお話でした。「切り捨てる」(カット)ことや「分類する」(カテゴライズ)ことの重要性です。でも、ビジネスパースンは、選択肢の中からなかなか切り捨てるということができず、苦労しているのではありませんか。

みんなそう言うんです。でも、本当はもっとうまくカットできます。たとえば、企業だったら、そんなに多くの製品を出さなければいい。減らせばいいんです。通常、売上高の80%から90%は、およそ全商品のうち10から15%の商品による売り上げです。

どれをカットしたらいいかわからないと言いますが、セールスの人に、この選択肢のうちAとBのどっちがいいのか、尋ねてみるんです。もしセールスマンがAとBの違いを説明できないならば、お客さんは当然わからないわけです。その場合は、違いを本当にはっきりさせるか、一つをカットするしかない。

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