企業買収は「結婚までの道のり」そのものだ 「M&Aありきの経営」が、低レベルすぎる理由

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決してどちらが良い悪いという話ではなく、大事なことは、求める「生き方」によって、当然にして「結婚」に求めるモノも変わるということだ。もちろん、求める「生き方」によっては、「結婚」は不要かもしれない。

この場合、「生き方」は経営戦略、「結婚」はM&Aと置き換えられる。つまり、実現したい経営戦略がどういうものかによって、M&Aの必要性は変わるし、M&Aの目的も変わるのだ。

自分の理想の「生き方」がはっきりしていて、「結婚」に求めるモノもはっきりしたら、婚活男子・女子が次に考えることは、結婚相手に求める具体的な条件だろう。

「譲れない条件」をピックアップするのがコツ

先述した例のように、結婚後は専業主婦を望む女性であれば、結婚には安定を求め、結婚相手には「年収1000万円以上」など、金銭面の条件を求めるかもしれない。しかし、結婚後もバリバリ働きたい女性であれば、結婚には協力関係を求め、結婚相手にはおカネではなく、「家事を分担すること」等の条件を求めるかもしれない。

この場合、「結婚相手に求める条件」は、対象企業に求める条件と置き換えられる。結婚の目的によって、結婚相手に求める条件も変わるのと同様に、M&Aの目的によって、対象企業に求める条件は変わるのだ。

実際のM&Aの世界では、M&Aの目的に照らして、対象企業に求める条件を「業種は加工食品メーカー」「規模は売上500億円以上」「北米に販路を持っている」等と設定していく。その設定条件をもとに、外部情報から、初期の候補企業リストである「ロングリスト」を作成し、さらに条件を絞りこみ、「ショートリスト」を作成していくことになる。結婚相手に求める条件と同様に、あまりに細か過ぎてもキリがないので、「これだけは譲れない」という条件をピックアップするのがコツだ。

だがこれは、言うは易し、行うは難し、である。次回は「M&Aにおける相手の見つけ方」というテーマについて、もう少し詳しく解説していく。

田中 大貴 M&A戦略コンサルタント、MAVIS PARTNERS プリンシパル

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たなか だいき / Daiki Tanaka

早稲田大学商学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、その後、ジェネックスパートナーズ、マーバルパートナーズ(現PwCアドバイザリーのDeals Strategy部門)、ベイカレント・コンサルティングのM&A Strategy部門長を経て現職。一般社団法人ポストM&A研究会 代表理事、グロービス経営大学院にてファイナンス講師も務める。

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