おおさか維新、本格的な国政政党を狙う 評論家・塩田潮が浅田均政調会長を直撃
「統治機構改革の大阪版実験」といわれた去年5月の大阪都構想の住民投票では、安倍首相や菅義偉官房長官は非公式には大阪都構想に理解を示す姿勢をにじませたものの、当時の民主党、共産党とともに都構想反対を唱えた地元の自民党の動きに口をはさむことまではしなかった。
おおさか維新が掲げる統治機構改革の改憲項目についても、安倍首相は関心が乏しく、考慮・検討するといった気配は今のところまったく感じられない。浅田氏は「すり合わせ」に前向きだが、自民党の支持基盤や霞が関の官僚機構の抵抗なども予想され、政権維持を考える安倍首相が「すり合わせ」に乗り気となるかどうかは不明だ。
やはり型破りの指導者が必要
おおさか維新の「本格的な国政進出」に対する国民の最大の関心は、今後、国政政党としてどんな政治を目指すのかという点だろう。浅田氏はインタビューで、基本的に自民党、公明党を「大きな政府」志向と位置づけ、長期的展望として、「大きな政府」志向勢力とは別に、自民党や民進党などに混在する「小さな政府」志向の人たちを糾合して、自公体制と並ぶ第2極をつくり上げる道を目指す考えを示した。その点を対立軸に政界再編を主導し、政権交代可能な2大政治勢力による政党政治を、と日本政治の将来像を描く。
この路線に理解を示し、支持する国民は少なくないと思うが、一つだけ注文がある。ビジョンやプランやシナリオや政策といった理屈だけでなく、それを国民に強力に発信し、不撓不屈の精神で果敢に挑戦し続ける「型破りの指導者」が存在しなければ、おおさか維新の壮大な実験も絵に描いた餅に終わる可能性がある。
「型破りの指導者」は現在のところ、引退実行中の橋下氏以外に見当たらないが、近い将来、それを引き受ける使命感と挑戦意欲は健在かどうか。それとも、おおさか維新は第2の「型破りの指導者」という隠し球の用意があるのだろうか。
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