おおさか維新、本格的な国政政党を狙う 評論家・塩田潮が浅田均政調会長を直撃

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塩田:おおさか維新は、衆参同日選の準備はできていますか。

浅田:準備はしていますけど、人不足ですね。目標としては、第3極というか、民進党を凌駕する勢力が取れたらとは思いますけど……。少なくとも共産党よりは上にいきたい。

塩田:橋下さんは去年、「5年で過半数を取る」と口にしました。

浅田:経済政策が理由で、自民党は液状化して分かれてもおかしくない状況がいつか来ると僕らは思っています。その時点で、交流がある自民党や民進党の人たちと一緒になって「小さな政府」を志向する第2極ができたら、日本の政治ももっとよくなるんじゃないかと思っています。

維新は「小さな政府」、自民・公明は「大きな政府」

塩田:おおさか維新が自民党と連立政権を組んで与党になるという考えはありませんか。

浅田:それは考えていません。連立を組んだ時点で存在理由がなくなります。自民党と公明党は、要するに二つとも「大きな政府」志向のグループがくっついている。僕らは必要なサポートはしますが、「小さな政府」志向ですから、一緒にやっていくのは厳しい。自民党は家父長制度、家産制度の延長みたいで、子飼いを大事にする。門戸が開かれていないですよ。

塩田:安倍首相もおおさか維新も「改憲」の立場ですが、安倍首相はおおさか維新が唱える地方自治を含めた統治機構改革や道州制は視野にないと思います。憲法観に基本的な違いがあるのでは。

浅田:最初、安倍さんが自民党総裁になる前、「ドリームチームを」というとき、安倍さんとは「憲法も変えなければ」という話はしていましたが、衆参の総議員の3分の2以上という改憲の国会発議要件を定めた憲法第96条をどうするかというあたりからかな、という話でした。それ以上は個別にどこをという議論はしていません。これからです。

塩田:参院選後、安倍首相が具体的に改憲に向けて動き出したとき、どう対応しますか。

浅田:昔の社会党みたいな「反対のための反対」は国民に全然、支持されないと思います。僕らは理由を示して必ず対案を出す。憲法については独自の改憲案を準備中です。自民党案のような前文から最終の条項まで丸々の改憲草案ではなく、必要なところだけ抜き出し、文章化して発表します。もし安倍首相と改憲の中身のすり合わせということになれば、話し合いはさせていただきたいですね。

塩田:ありがとうございました。

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