安倍首相の執拗な「野党批判」が意味するもの 「まさか」の衆参同日選に打って出る?
自民党は3月13日、都内のホテルで第83回党大会を開いた。同党は昨年11月29日に同じ会場で立党60周年記念式典を行ったばかりだが、今回は参院選挙必勝決起大会も兼ねており、特別の意味がある。
それを意識してなのか、自民党総裁を務める安倍晋三首相のスピーチには、野党に対する強い批判が含まれていた。そこから感じ取れるのは、「まさか」の決断をすることもありえる、ということだ。
「無責任な勢力に負けるわけにはいかない」
党大会で安倍首相は2日前に5年の節目を迎えた東日本大震災について、こう述べた。
「遅々として進まぬ復興。避難所で苦しむ人々を前にして、我々は野党としての無念さに震える思いだった」「野党になったことを深く深く反省し、そして政治がリーダーシップを発揮して、復興を成し遂げるためには政権を奪還しなければならない、こう決意を新たにした」
自民党は東日本大震災発生当時の初動対応を検証する組織を党内で設置することを発表している。民主党政権下で東京電力福島第1原発事故や津波被害に対して、どのような対応が行われたのかを見るものだが、その目的は政権政党だった民主党に責任を突き付けることだ。
さらに選挙協力を進める野党をけん制した。
「選挙のためだったら何でもする、誰とも組む。こんな無責任な勢力に私たちは負けるわけにはいかない。今年の戦いは政治に、国民に責任を持つ自民党・公明党連立政権対こうした民主党・共産党、民共の勢力との戦いになる」
言うまでもないことだが、次期参院選は自民党にとってなんとしても勝たなければならない選挙。基本的には順風の中にある安倍政権だが、乗り越えなければならない課題は多い。そのひとつが連立与党のパートナーである公明党との「推薦」の調整だ。
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