安倍首相の執拗な「野党批判」が意味するもの 「まさか」の衆参同日選に打って出る?

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「この参院選を勝利するためには、連立とお互いの党が協力しあって戦って勝利することが重要だ。私たちがお願いした推薦の依頼について、来週にはしかるべき手続きを獲って推薦の運びになると伺っている。私たちもそれに応えて、ご依頼に基づいた推薦の決定を出していく」

党大会に来賓として招かれた山口那津男公明党代表は、にこやかに祝辞を述べながらも、きわめて具体的に、次期参院選で公明党が擁立する5選挙区について早急に推薦を出すように促した。

調整が難航している埼玉選挙区

5選挙区のうち、調整がとりわけ困難な情勢にあるのが埼玉選挙区だ。3年前の参院選では公明党の公認候補だった矢倉克夫氏が新人だったため、自民党現職の古川俊治参院議員が最後まで抵抗する中で「特例」として推薦を認めた経緯がある。今回はどうなのか。

今回は、自民党も公明党も現職が立候補する予定だ。自民党から出る関口昌一参院議員は公明党に推薦を出すことに強硬に反対。しかし公明党も、ここで折れるわけにはいかない。なにしろ、西田実仁参院議員は参院幹事長でかつ党広報局長も務めている。いわば幹部議員であり、公明党としては落とすわけにはいかない。自民党の推薦は必須なのである。

もし自民党の推薦が整わなかったらどうなるか。山口代表の言葉通りに解すれば、自民党が推薦してくれないのなら、公明党からの推薦はないとも読みとれる。こうなると、衆院選にも影響を与えかねない。衆参同日選になれば、なおさらのことだ。

実のところ、公明党は自民党との「夫婦関係」に対してクールな面もある。たとえば自民党と公明党が下野した時代に開かれた公明党大会では、当時の自民党総裁だった谷垣禎一氏は来賓として招待されず、代わりに祝電の読みあげで処理したこともあった。「連立与党という言葉はあっても、連立野党という言葉はない」(公明党関係者)というのがその理由だった。

この公明党候補の推薦問題と並び、もうひとつ悩ましいのは衆院北海道5区補選問題だ。

昨年6月1日に町村信孝元衆院議長が死去したことに伴う北海道5区の補選は、4月12日告示24日投開票で行われる。当初は町村氏の娘婿で自民党が公認する和田義明氏が圧倒的に有利だと見られていたのだが、ここに来て民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党などが推薦する池田真紀氏が追い上げてきているという。

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