「民・維合流」で漁夫の利を得るのは共産党だ 野党共闘によって存在感が増している

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社民党定期大会で手を取り合う、吉田党首(前列左から3人目)、共産党の志位委員長(同2人目)ら(2月20日、写真:読売新聞/アフロ)

民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は2月26日、両党が3月に合流することを正式に合意した。午後の党首会談の後、松野代表は満足そうに、「我々の思い通りに行った」と周囲に話したという。

しかし、実際は岡田氏や松野氏の思い通りに進んでいるわけではない。今、野党共闘を、文字通り「思い通り」に主導しているのは、日本共産党である。

野党共闘へ緻密な計算

「2月19日の野党5党首の合意は、情勢の前向きの大激動を作りつつある」

2月25日に開かれた共産党委員長の定例会見は、志位和夫委員長の自信を込めたこの言葉から始まった。

「23日から開始された書記局長・幹事長会談は、いいスタートをきれたと思う。まずは安保法制廃止と閣議決定の撤回を共通の選挙公約とすることが確認され、政権問題についても協議することが確認され、安保法制以外のさまざまな政策課題についても一致点を探る協議を行うことが確認された」

志位委員長はさらに、「32の1人区の全てで野党共闘が成立し、自公に打ち勝つ体制を作りたい」と述べている。まさに野党共闘は、志位委員長が昨年9月に提唱した「国民連合政府」そのものの構図となりつつあるのだ。

ここに至るさまざまな段階で共産党のち密な計算が見てとれる。まずは「国民連合政府構想」の発表のタイミングだ。

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