ワイン造りの思想 その3 セパージュ(品種)主義《ワイン片手に経営論》第14回

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 このようなセパージュを中心とした考え方は、ワインのラベルに表現されています。左の写真は、アメリカの代表的なワイナリーであるロバート・モンダヴィ(カリフォルニア州)のワイン・ラベルです。

 ラベルの下方にイタリック様の字体で、「Chardonnay」と書かれているのが分かります。このChardonnay(シャルドネ)というのが、ブドウ品種の名前です。

 CHABLIS(シャブリ)には記載されていなかったブドウ品種が、堂々と明記されています(ちなみに、CHABLISは、このラベルと同じ、シャルドネをブドウ品種として使用しています)。上方にRobert Mondaviと書かれているのが作り手の名前です。生産地区については、このラベルの場合、「Chardonnay」の大きな文字の下に小さい字で記載されています。明らかに、ブドウ品種に関する意識の強い表れです。

 セパージュ主義とは、高貴種ブドウを使用し、かつその土地の日照時間、降水量、気温湿度などの条件をある程度満たせば、テロワール(土地・風土)を越えて、美味しいワインを生産できるという思想です。高貴種ブドウとは、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョンといったものです。そして、この思想を根底で支えているのが、「ワイン造りを科学して、再現可能な技術を確立することで、品質の高いワインを造ることができる」という大前提なのです。

 実際に品質の高いワインを造る技術がセパージュ主義者によって確立され始めると、伝統的なヨーロッパ以外のチリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカといった新興国において、品種を意識したワイナリーが増えて行きました。こうしたワインは、ヨーロッパのワインに比べて、多くの場合、安価でありながら、素人にも分かりやすい美味しさであるため、市場も急速に拡大してきたのです。

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