ワイン造りの思想 その3 セパージュ(品種)主義《ワイン片手に経営論》第14回
このようなブドウ品種を意識した国々のワイン生産量は確実に増大しています。添付のグラフ(図1、図2)の統計を確認してみると、やや古い数字ですが、1996年ごろのフランスの生産量は、60億リットル前後だったものが、2006年には50億リットル前後に減少しています。一方で、米国は、19億リットルから24億リットル、チリは4億リットルから8億リットル、オーストラリアは6億リットルから14億リットルと軒並み生産量が増加しています。
そして、こうした増加傾向は、米国、チリ、オーストラリア以外のセパージュを重視したワイン生産国でも見られ、ニュージーランド、南アフリカも今後増加していくことが見込まれます。このように見ると、「テロワール主義」「セパージュ主義」というのは、単純なラベルに何を表記するかの形式論ではもはやありません。ワインビジネスの根本を変える本質的な考え方です。
Fig1:フランスの生産量(メガリットル)
Fig2:ワイン新興国の生産量(メガリットル)
では「セパージュ主義」が「テロワール主義」と決定的に違う点は何か。それは、「科学」がキーワードです。
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