曲がり角のネット証券、手数料値下げに限界

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 岡三オンラインは8月31日に料金変更について発表したが、その翌日にはクリックも値上げを表明した。競い合うような動きは、偶然では片付けられない。すでに野村ホールディングス傘下のジョインベスト証券が昨年6月に、SBIも今年3月に信用取引の定額プランを大幅に値上げしている。

各社とも理由はほぼ同じ。「新料金はコストパフォーマンスを考えると応分」(岡三オンラインの池田嘉宏社長)。「従来料金は赤字出血サービス。企業努力の限界だった」(クリック証券の兵頭一摩経営企画部長)。従来価格では採算が取れず、赤字だったという。

収益を圧迫する最大の要因は、「ハイパーデイトレーダー」と呼ばれる投資家の存在だ。株の短期売買を頻繁に繰り返すデイトレーダーの中でも極めて取引頻度が高く、取引金額も大きな個人投資家を指す。

その投資行動はプロ並み。「株価チャートを分単位で分析し、コンピュータ画面上に表示される銘柄・値段ごとの売買注文である『板』を注視しながら、次々と注文を出す。その日の安値と高値を狙う」(株取引の動向に詳しいストックリサーチの大和田智美取締役)。「翌日の取引が始まる寄り付きに向け、複数銘柄の注文を前日から大量に入れてくる」(岡三オンラインの池田社長)。

彼らの中には1日に数十~数百回もの取引を行い、1カ月で100億円の資金を動かす強者(つわもの)も珍しくない。多くのネット証券では株取引システムを外部委託しており、約定だけでなく訂正・変更や取り消しも含めて、注文件数ごとにシステム使用料を支払う必要がある。取引所にも同様の基準で、アクセス料を注文件数ごとに支払っている。このためハイパーデイトレーダーのような取引が増えると、「約定金額を基準にした手数料だけでは、元が取れないケースがある」(クリック証券の兵頭経営企画部長)と困り果てる。

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