09年夏の北米興行ランキングから見えてくる“ドル箱映画の方程式”《ハリウッド・フィルムスクール研修記6》

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 『GIジョー』を製作・配給したパラマウントに対して、ライバルのワーナーは現在、ブロック玩具の「LEGO」を活用した映画を企画中と報道されています。

ちなみに、作品としての知名度は抜群だった『天使と悪魔』『ターミネーター4』はアメリカではイマイチな結果でしたが、海外(北米以外)での興行収入が国内の2~3倍に上りトータルで見れば大成功。

私の感覚ですが、日常に映画鑑賞が溶け込んでいるアメリカに対して、映画鑑賞=特別なイベントという意識の強い海外の観客のほうが映画選びに関して「保守的」である気がします。「外したくない」気持ちが強く、知名度のある安心な映画が選ばれるのではないでしょうか。

(3)評判

メディア選挙といわれる中でも、政策重視で当選する議員がいるように、事前の知名度や広告量が少なくても批評家・観客から高い評価を得てヒットする作品もあります。

この夏一番の予想外ヒットだったのは『The Hangover』(原題)。友人の独身最後を祝うためにラスべガスに集まった3人の男たちが高級ホテルでハメを外しバカ騒ぎ。二日酔い(=Hangover)で目覚めると、3人とも昨夜の記憶が全くないどころか、花婿がいない。彼を探すためにラスベガスを駆け回る...というおバカコメディです。

約3500万ドルの制作費で、約4億400万ドルの全世界興行収入をあげ、既に続編製作が決定。スター不在ながら、ストーリーの巧妙さが受けてメガヒットとなりました。

ちなみに、ハリウッド映画の評価サイトとして、私が常にチェックしているのが「IMDB」(Internet Movie Database)。基本的に業界関係者向けのデータベースなのですが、映画ファンからの評価が大量に掲載されています。このサイトで10点満点中8点を超える映画は一般的に「高評価」とみなされ、個人的にも見てがっかりすることはめったにありません。

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