朝日は慰安婦問題と部数減を乗り切れるのか 渡辺雅隆・朝日新聞社社長に聞く

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縮小

──新聞市場は縮小傾向が続いている。

現時点で朝日の部数は660万~670万。新聞業界全体では毎年数十万~100万部ずつ減っている。今後2%ずつ部数が減ってもやっていける経営体質にしたい。

広告収入も、2006年に新聞業界全体で1兆円あったものの、10年間で4000億円まで減った。だが広告売り上げ全体では、6兆~7兆円で大きく変わっていない。ネット媒体をはじめ、ほかのメディアに移ってしまった。

われわれが成長を期待しているのは不動産事業だ。2020年度に単体の不動産事業収入200億円、営業利益率30%を目標にしている。

デジタル化やセミナーを強化していく

──今年の秋にデジタル編集部門を紙の編集部門と統合する意図は何か。

1日2回(朝刊、夕刊)の締め切りがある新聞で育ってきた人間が、いきなり24時間体制のデジタル化には対応できない。そこで、いったんデジタルにどっぷりつかってもらって、新しいコンテンツの見せ方などがある程度わかってきた。今度は統合することによって、その感覚を紙しかわかっていない人たちにも、広げてもらいたい。

当社もネットを含めたメディアとしてイベント空間を作っていく。シニア専門のセミナーを開催したり、若者との接点を増やしたりしたい。

1月29日に、原則35歳以下の若手社員を部門横断的に集めた、8名の「U35」チームを発足させた。若い世代に向けた情報発信や商品・サービス提供にも自由に取り組ませてみるつもりだ。

「週刊東洋経済」2016年3月26日号<22日発売>「核心リポート06」を転載)

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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