ただし、2年間の遠距離恋愛を乗り越えた後なので、その反対姿勢も少し緩和していた。1年以上同棲しても大丈夫なようならば、という条件付きで結婚を許された。妻のほうの両親が結婚前の同棲を強制するというのは珍しい。
表情がさえない理由
同棲期間を無難に終えて、昨年末に念願の結婚を果たした文雄さん。表情がさえないのは、結婚生活のせいではない。現在のIT企業には転職して1年ほどしか経っていないが、前職で養ってきたスキルを生かせる職場ではないのだという。
「結婚するためにも大手企業に入ろうと思って転職したのですが、正直に言って仕事は充実していません。だからこそ、僕のためにご飯を作って待っていてくれるヨメがいる家は、自分を安定させてくれる場所です。僕は恋人にも素の自分をさらすことが苦手だったのですが、ヨメにだけは自分を見せられている気がします」
いま、さらなる転職に向けた活動が正念場だという文雄さん。仕事が充実すればもっと元気になるのだろう。しかし、苦しい今でももう少しだけ明るく堂々とするべきだと思う。「素の自分」をさらして甘えるだけでは、いくらしっかり者の女性でもうんざりしてしまう。
われわれ晩婚さんは、「人生楽ありゃ苦もあるさ」を経験的に知っている。苦しみや悲しみもあるからこそ人生は面白いのだとわかりつつある。不安や焦りは尽きないが、日々の生活を楽しむ気持ちを忘れずにいたい。それが結婚相手にも安心と励ましを与えることにつながる。
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