“打倒アマゾン”--国内ネット通販王者・楽天が繰り出す迎撃策《アマゾンの正体》

ただ、まったく小売りを行っていないわけではなく、一部例外がある。「楽天ブックス」のブランドで展開している書籍、CD、DVDなどのパッケージメディア製品だ。実は、この「楽天ブックス」が、「打倒アマゾン」の最前線に立たされている。

楽天ブックスは、書籍販売ではアマゾンに次ぐ2位の位置につけているようだ。しかし、「1位と2位の書籍売り上げには3~4倍の大きな差があるのに対し、2位と3位のセブンアンドワイの間にはほとんど差がない」(大手取次関係者)。つまり、書籍販売では断トツのアマゾンを追いかける2位集団の一角だ。

楽天ブックスは01年4月に日本出版販売(日販)との合弁会社として営業を開始。取次3位の大阪屋と取引をするアマゾンジャパンと比べ、最大手取次の豊富な在庫を活用できる点が大きな強みだった。しかし、03年2月に日販がアマゾンとの取引を開始した関係で、その年の10月には日販との資本関係を解消。楽天の100%子会社として出直した。

その後、アマゾンとの差は開くばかりで採算低迷が続く。楽天ブックスは02年12月期から04年12月期まで毎年2億円台の最終赤字を計上、05年12月期の最終赤字額は4億円にまで膨らんだ。06年12月期も2億3500万円の赤字に沈み、07年12月に楽天本体へ吸収合併。吸収初年度の08年は無理な値下げをしていたDVDの販売価格を引き上げるなど、収益性向上を最優先した。

ところが、今年に入って楽天ブックスの戦略は一変。次々に「打倒アマゾン」をむき出しにしたキャンペーンを打ち始めた。

まずは、09年2月2日に送料無料キャンペーンを開始。アマゾンが1500円以上購入から無料なのに対し、すべての送料を無料にした。さらに、3月からは楽天市場のトップページの目立つ場所に「ブックス」のタグをつくり、トップページからの集客をできるようにした。

送料無料以外にも、セールスポイントがそろっている。商品のコンビニ受け取りではアマゾンがローソン店頭だけなのに対し、楽天ブックスはファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップの店頭で受け取ることができる。また、すべての商品に1%のポイントが付く(アマゾンは商品によってはポイントが付かない)。貯まったポイントは楽天グループ内で横断的に使える(アマゾンのポイントはマーケットプレイスでは使えない)ため、楽天のヘビーユーザーには大きな魅力だ。

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