内田様、確かに仕事で疲れて帰ってきて身も心も癒し、明日へのエネルギーを蓄えるべき家庭で、また神経をすり減らすのは大変なことです。それに夫人の性格や価値観を変えるのは、相当難しそうです。しかもテレビや週刊誌の見出しを見るだけでも、性格の不一致離婚は市民権を得ているように見えます。
しかしここで「隣の芝生は青い」という言葉を思い出してください。どこの家にも事情があり、相当な苦労や努力をしている家庭の方が多いのです。私の見聞きした経験でも、性格の不一致に“耐えて”いる夫婦は少なくありません。先ほども申しましたが、これには程度がありますが、昔から継承されてきた“耐える”範囲を考えてみたいと思います。
“自分の人生の主役は自分”という言葉がよく使われますが、主役を張るにも良い脇役が必要ですし、家族全員が主役となるべき家族なら、お互いが主役と脇役を務めねばなりません。脇役がまずいと主役も輝きません。あなたが下手な脇役を演じている限り、いくらそれが夫人の機嫌を損ねないための方策だったとしても、それは夫として父親として、しいてはあなた自身への責任を果たしていないことになるのです。
一人前の大人として今の段階では、あなたが「性格の不一致」を切り出して「独りになりたい」は、卑怯です。ある意味で自分の人生は、自分だけのものではありません。
好きだ嫌いだというのも時期や波がある
以前に私は、「25歳を過ぎた成人の性格を変えるのは、ネコにダンスを教えるより難しい」という言葉を引用し、三つ子の魂の始末の悪さに言及したことがあります。確かにこの言葉には一理ありますが、一方、25歳を過ぎた人の多くは、これに異を唱えるのではないでしょうか。
私自身を振り返っても、他人から注意されたり、思い出したくない失敗や嫌な経験を繰り返す中で、25歳以降に変わった性格の部分は沢山あります。私の悪いところを指摘してくれたり嫌な体験を残してくれた人たちには、その時は好きになれませんでしたが、振り返れば感謝できる人ばかりです。より大きな失敗の前に気付かせてくれたのですから。
世の中には「言っても無駄」と、何も言わず他人を憎み続けるタイプの人がいますが、夫婦の場合、これは反則です。あなたを完全に尻に敷いている夫人に、あなたの不満を述べ始めるのは勇気のいることですが、あなたがこの勇気を出さないと、何も変わりません。根気よくこの勇気を出し、努力を続けることがまず先決です。
なお私の知人で、「離婚するなというのは、自分に死ねと言うのと同じ」と我を張り、周囲を困らせた人がいますが、今では夫婦で旅行を楽しんでいます。伴侶を好きだ嫌いだというのも時期や波があり、それを乗り越えて深い絆で結ばれている夫婦は多いです。それも立派な情愛なのです。
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