ハリウッドの就職事情、インターン探しで見えた米国エンタメ業界《ハリウッド・フィルムスクール研修記1》
今回から、ハリウッドでのフィルムスクール(映画学校)に関する連載を始めることになりました。よろしくお願いします。
私は5年強の広告会社勤務を経て、現在、アメリカン・フィルム・インスティテュート(以下AFI/米国映画協会)大学院に留学、エンタテインメントビジネスについて学んでいます。
ところで、AFIについて、どんなところかご存じの方はほとんどいないと思います。かくいう私も受験する半年前までこの大学院の存在を知りませんでした。
AFIは、1967年に時のリンドン・ジョンソン大統領によってロサンゼルスに設立された映画の研究・教育機関です。手前味噌になって恐縮ですが、アメリカの映画業界では、南カリフォルニア大学(USC)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ニューヨーク大学(NYU)、コロンビア大学と、このAFIを合わせて、全米5大映画学校として認識されています。「ツインピークス」のデビット・リンチ監督、「ラストサムライ」のエドワード・ズウィック監督などを輩出しています。
私がこの学校で専攻しているのは「プロデュース」です。そう、アメリカのフィルムスクールには「プロデュース」を専門に教える学科があるのです。いったいどんなことを勉強しているのか、この連載でご紹介していきたいと思います。
■ワーナーブラザーズのスタジオ群。まさにエンタテインメントの「工場」
無給のインターンが職探しのスタート
さて、大学院1年目も終わり、夏休みが近づくと、クラスメートと会うたびに「夏休みの予定はもう決まってる?」という会話が交わされます。社交辞令のひとつではありますが、遠まわしな表現でみんなが聞きたいのは他でもない、夏の「インターン(下働き)」に関してなのです。