ハリウッドの就職事情、インターン探しで見えた米国エンタメ業界《ハリウッド・フィルムスクール研修記1》
そんな無給かつ雑用まみれのインターンシップではありますが、そこから人気企業に入るのは簡単ではありません。特に留学生は言葉のハンデも卒業後の就業ビザの問題(9.11以降、外国人向けのビザ発行は非常に厳しいため本採用が難しい。ゆえにそもそも本採用につながるインターンの機会も限られてしまう)もありますので、苦労しています。
南米から来ているクラスメートは米国の大学を出ており言葉も私に比べればはるかに上手ですが、やはり読むスピードがネイティブに比べれば遅く、カバレッジの宿題(人気プロダクションでは事前に能力を見るため脚本を渡し、カバレッジを実際に書かせるところもあります)では相当苦労したそうです。かくいう私も20通以上の履歴書をスタジオに出しましたが、1通も返事さえ返ってきませんでした。
やっぱり「コネ」が大切なハリウッド
このような状況のなかで、無事インターンシップのオファーを得た学生は、人からの紹介で受かっている人が大半です。
前述の大手タレントエージェントに合格したクラスメートも、結婚式でたまたま出会った幹部社員に食い込み、食事に誘い関係を深めて紹介を受けたそうです(大手タレントエージェントはそもそもインターンの募集さえ公にはしていません)。
やはり私もロサンゼルスで映画に携わる大学の先輩に紹介を受け、大手スタジオの国際製作部門を受けに行ったところ、2日後には合格の連絡がきました。日本の映画市場に関して自分なりに資料を作って提出するなど、語学のハンデをクリアするための努力も認められたようですが、一番の決め手は「信頼できる人からの紹介」だったことでしょう。日本以上に、ハリウッドは「コネ」が幅を利かせるコミュニティでもあるのです。
ネイティブスピーカーでも何でもない超ドメスティック人間の私が、ハリウッドのスタジオで働くことなど考えてもみなかったですし、無給とはいえ学校では学べない貴重な経験になると思います。カッコいいことなど何もなく、地道な作業の連続になると思いますが、「インディジョーンズ」等をプロデュースしてきたハリウッドの超大物プロデューサー、フランク・マーシャルが講義に来たときにこんなことを言っていました。