余計!相手が疲れる「やりすぎ」気づかい

「おせっかい」に陥らないANA社員の秘密

20年以上客室センターに在籍し、チーフパーサーとして乗務している、ANAビジネスソリューション接遇マナー講師の加藤絵里子は、自らも、余計な気づかいで失敗した経験から、こう話します。

「この場合、毛布を畳むのはエキスパートの清掃担当者に任せて、何もしない(自分たちがいまできる準備をする)のが正解」と言います。

でも、線引きが難しい「行動しない気づかい」と「行動する気づかい」を、どう使い分ければよいのでしょうか。

20年以上客室センターに在籍し、チーフパーサーとして乗務している、ANAビジネスソリューション接遇マナー講師の林靖子は、単純明快な答えを示します。

「手伝ったほうがよいかどうか迷ったら、『お手伝いできることはありますか?』と尋ねればいいのです。それに、もし自分がその場所にいることが清掃の邪魔ではないかと思ったら『私、ここにいて邪魔になりますか?』と尋ねればいい。黙って自分で判断するより、尋ねるほうが明確な回答を得られます」

こうした「お手伝いできることはありますか?」や「邪魔になりますか?」という問いかけに対して、相手がつい遠慮をして、本当は大丈夫でないのに「いえ、大丈夫ですよ」と答えることも往々にしてあります。

「こうならないためにも、日常的にあいさつをしたり、会話をしたりすることが大切」とも林は言います。邪魔だったら「邪魔だよ」と正直に言ってもらえる関係をつくっておく。そういう間柄になっておけば、相手も自分も仕事がスムーズに進みます。

「不快な思いをさせない」のも気づかい

自分がよかれと思って行った気づかいが、必ずしも相手に喜ばれるとはかぎらない。相手に求められていない気づかいは、余計なおせっかいになってしまいます。それを防ぐためにも、「気づかいとは、何か特別なことをしてあげること」という固定観念は一度捨てたほうがいいでしょう。

ANAのCAは、積極的にお客様と接して「プラス α(アルファ)」のサービスを行っているイメージがあるかもしれません。しかし、おもてなしの現場で最も重視されているのは、「マイナス」をなくす、つまりお客様に 「不快な思いをさせない」 ことです。

CAの加藤は、「快適は人により価値観が異なるものですが、不快はほぼ共通している」 と話します。

「例えば、音がうるさい、場所が汚い、言葉が耳障り。つまりいつもと異なるネガティブな感情になることに対しては、人は不快感を抱くものです」

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