非情な世界を勝ち抜いた松山英樹の「無心」

「邪念」に変わったファウラーの優美な想い

健闘をたたえ合う、優勝した松山英樹とリッキー・ファウラ-。終盤からプレーオフにかけての展開は見応えあるものだった(写真:日刊スポーツ/アフロ)

米男子ゴルフツアーのフェニックス・オープンで松山英樹がリッキー・ファウラーとの4ホールに渡るプレーオフを制し、米ツアー2勝目を挙げた。

最終日、2人はともに首位から3打差の2位タイでスタートしたが、序盤から首位に4~5人が並ぶ大混戦へもつれ込んだ。そして後半は、ファウラーの小技の冴えが光り、上がり3ホールを迎えたときは、ファウラーが単独首位、松山は2打差の2位だった。

キツネにつままれたような出来事

流れが変わったのは71ホール目の17番。1オン可能な短いパー4が分岐点になった。ドライバーで打ち放ったファウラーの第1打はピンフラッグをめがけて飛んでいった。

「完璧なスイング、完璧なショットだった」と、ファウラー自身、最高の手応えを感じ取った。が、ボールはグリーンをオーバーし、奥の池へ転がり込んだ。それは、まるでキツネにつままれたような出来事だった。

「フロントエッジまで304ヤード。グリーン奥のバンカーまででも330ヤードあった。それに、僕はややカット気味に打ったのだから、360ヤードも転がって池まで転がり込むなんて……不運としか言いようがない。思った通りにライン通りに打ち出し、完璧にショットした。でも、バックファイア(逆火)が起こった」

痛恨の一打を、ファウラーはそう振り返った。ファウラーのボールが池に消えたとき、松山は何を思ったのか。

「最初はバンカーかなと思った。(池だと知って)びっくりしたけど、自分がやるべきことは(17番、18番を)バーディー、バーディーで上がることだと思った」

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