ダンロップ、米ゴルフメーカー買収の大誤算 「スリクソン」ブランドも通じず、初の赤字

拡大
縮小
新製品の「ゼクシオ9」に賭けるダンロップ。今期は赤字転落が濃厚だが…

今やそのルックスで大人気の女子プロゴルファー、イ・ボミ選手(韓国)とボールの使用契約をしている、国内ゴルフ大手のダンロップスポーツ。が、その華やかさとは裏腹に、同社の2015年12月期決算は、39億5000万円の特別損失を計上。2006年に上場以来、初の最終赤字(38億円)に陥る見通しとなった。

そればかりではない。ダンロップは赤字転落に伴い、期末無配や株主優待中止、取締役5人の報酬減額などもあわせて発表。国内ゴルフ市場を牽引するメーカーに、一体、何が起こっているのか。

高価格は「ゼクシオ」、アスリートは「スリクソン」

大人気のイ・ボミ選手(韓国)も、ダンロップとボールの使用契約を結んでいる

特損を計上した理由は、北米ゴルフクラブの販売不振にある。ダンロップは2007年12月、米ゴルフメーカーの「クリーブランドゴルフ」を、約152億円で買収した。国内ゴルフ市場が徐々に縮小していくことを見据え、当時、全米では第5位、ウエッジではトップシェアの同メーカーを手に入れ、海外ビジネスに本格参戦したのだ。

元々、ダンロップは日本や韓国、中国で、高価格帯の「ゼクシオ」、アスリート向けの「スリクソン」という、2大ブランドを長く販売してきた。現在の契約選手は、前述のイ・ボミのほか、松山英樹や片山晋呉など、それこそトッププロが名を連ねている。

次ページスリクソンは欧米で通用せず
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT