あの映画で「自分目線」がもてはやされるワケ

製作者側も工夫を凝らすホラーの演出法

『V/H/S ネクストレベル』

『V/H/S ネクストレベル』(2013年/アメリカ/96分)

世界NO.1ホラー専門サイト「Blood Disgusting」がプロデュースした本作は、2012年サンダンス映画祭で初上映され大好評だった『V/H/Sシンドローム』に続く、短編5作からなるオムニバス形式の映画。注目の若手クリエイターたちが集結した、ホラーマニアたちによるホラーファン必見の問題作だ。

失踪した息子の捜索依頼を母親から受けた私立探偵の男と助手の女は、調査のためにその青年が滞在していたという古い一軒家に忍び込む。そこには、大量のビデオ・テープが散乱し、床には血痕が……。手がかりを求めて、探偵は各室内を捜索し、女はテープを再生し始めるが、そこには想像を絶する映像が録画されていた! 憑かれたように次々とテープを再生していく最中、ふたりの身に異変が起こり始める……。

このような設定で1(『TAPE 49』)+4編の短編(『PHASE 1 CLINICAL TRIALS』『A RIDE IN THE PARK』『SAFE HAVEN』『SLUMBER PARTY ALIEN ABDUCTION』)が再生されていくというおなじみの趣向(ファウンド・フッテージ・ホラー)。今回は前作から引き続き監督した『サプライズ』(前回本欄にて紹介)のアダム・ウィンガード、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で知られるエドゥアルド・サンチェスとグレッグ・ヘイルのコンビ、そして『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンス他5人の新鋭監督の作品が楽しめる。

心霊、ゾンビ、カルト、エイリアン、スラッシャーと、なんでもアリアリの過激描写MAXかつネクストレベルな内容となっているが、ぼくには好みのサイコ・スリラー『ダブル・ビジョン』(2002年)を(一部分)思わせる『SAFE HAVEN』が一番衝撃的だった。“天国の門”を信仰する宗教団体を取材することにした4人の若者が、森の奥にある施設を訪れると……といったエピソード、何が起こるのか? ぜひご覧ください。

(文:たかみひろし 音楽・映像プロデューサー/ライター、
『モノ・マガジン』2014年10月16日号掲載記事を一部加筆・修正)

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