浜田宏一氏「金融緩和を止めてはならない」

止めてしまえば元の木阿弥になってしまう

岐路に立つ日本の金融政策や今後の世界経済など、浜田宏一氏に話を聞いた(撮影 : 大澤 誠)
実質4年目を迎えた安倍政権。中国バブル崩壊や米国の利上げなどによって、日本経済は一段とかじ取りが難しい局面に差し掛かっている。「アベノミクス」の理論的指導者でもある浜田宏一・イェール大学名誉教授・内閣官房参与に、岐路に立つ日本の金融政策や今後の世界経済などについて話を聞いた。

日本経済の成長には何が必要か

――年初からの世界的な株価の急落はようやく収まったようですが、事実上、株式や不動産などの価格上昇に依存するアベノミクスには逆風です。「量的・質的緩和を軸とする日銀の金融政策も限界に差し掛かっている」との指摘があります。

アベノミクスはしっかりと前進しており、日本経済は正しい方向に向かっている。2008年のリーマンショック後、FRB(米連邦準備制度理事会)だけでなく、イングランド銀行など世界の主要な中央銀行は大胆な金融緩和に踏み切った。にもかかわらず、日本だけが中途半端な金融政策を実行していたため、大不況を招いてしまった。アベノミクスによって2013年に登場した黒田東彦総裁は、大胆な金融緩和によって円安が進み、日本経済を苦しめていた需要不足解消に努めたことで、初期のアベノミクスは大成功を収めた。

だが金融緩和によってこれ以上需要だけを増やそうとしても、日本経済をさらによくするのは難しい。また欧州危機や「チャイナショック」などもあり、金融緩和をしてもアベノミクスの初期のように劇的な成果を上げるのは難しくなっている。今は日本経済の構造改革を進め、供給力を増やすように持っていくことが大事だ。

次ページ日本経済にはどんな構造改革が必要なのか?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 最新の週刊東洋経済
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
新車販売の3割が自社登録<br>BMW「自爆営業」の実態

高級輸入車BMW。その国内販売店で今、大量の新車が中古車として売られている。日本法人が課した厳しいノルマで、ディーラーが自社登録しているのだ。本誌はBMWジャパンの強引な販売の証拠となる内部資料を入手。背景にも迫る。