トランプ人気は本物か?ダボス参加者が警戒 「あまりに危険で看過できない」との声も
また、かつて米下院院内総務を務め、現在は投資銀行モーリス・アンド・カンパニー副会長のエリック・カンター氏は、共和党上層部の大半同様、トランプ氏に冷ややかな見方をしている。「トランプフィーバーは、同候補の勝利にはつながらない、持続不可能な現象だ」
だが、スカイブリッジ・キャピタルのレイモンド・ノルト最高投資責任者(CIO)は、そのような見方は希望的観測のように聞こえると語る。
「ここ(ダボス)にいる誰もが、トランプ氏が候補に選ばれるなんてことはあり得ないと言う。だが私はそれを耳にすると、実際にそれは起きるような気がする」
トランプ氏が主流化
ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」創設者のアリアナ・ハフィントン氏は、同サイトでは当初トランプ氏を政治欄ではなく、エンタメ欄で取り上げることを決めたが、イスラム教徒の米入国禁止発言を受け、その方針を覆した。あまりに「危険」で看過できないという。
「ドナルド・トランプ氏が極端な、危険な候補として扱われるのではなく、主流となりつつあるのは、現在の米国政治において最も厄介な側面だと感じている」とハフィントン氏は語る。
一方、米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーのグローバル・マネージング・ディレクター、ドミニク・バートン氏の目には、トランプ氏が政治活動を「娯楽」に変えてしまい、米国の世界的なイメージを傷つける恐れがあると映る。
「世界に対してちょっと恥ずかしいが、(トランプ氏の)言葉と現実には大きな差があると私は思う。多くの人はそれを理解し、割引いて考えるだろう。とはいえ、なんて時間がかかるんだ。まったく信じられない」
しかし、心配している人たちばかりではない。
インドの情報技術サービス大手インフォシスのサンディープ・ダドラニ上級副社長は、過去30年以上にわたり、同社の利益の大半は米国で得ているとし、「多くの選挙を目にしてきた。極端な発言や個性が目立つというのは、あらゆる選挙シーズンに共通している。だが(共和党、民主党)どちらの政権も、分別のある政策をとるようになるのをわれわれは常に目にしてきた」と話した。
(Carmel Crimmins記者、Martinne Geller記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら