トランプ人気は本物か?ダボス参加者が警戒 「あまりに危険で看過できない」との声も
[ダボス(スイス) 21日 ロイター] - 「信じられない」「恥ずかしい」「危険」──。これらは、スイスのリゾート地ダボスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席している金融業界のエリートたちが、米著名実業家ドナルド・トランプ氏を評する言葉の一部だ。
米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走るトランプ氏の選挙活動は失敗に終わると一部でみられている一方、同氏の指名獲得は、もはや考えられないことではないとの見方が多勢を占めている。
新たなポピュリズムの怒り
民主党の候補指名争いも、サンダース上院議員がクリントン前国務長官を追い上げている。過熱する大統領選は、その結果がどうであれ、新たなポピュリズムの怒りが共和・民主両党に吹き荒れ、米国の政治環境を変える可能性があると指摘する声も聞かれる。
トランプ氏の国家主義的な発言、特にイスラム教徒による米国への入国禁止や、外国製品の関税引き上げといった同氏の提案は、ダボス会議のようなイベントに集まる自由貿易を支持する人たちの心には決して響かない類のことだと言える。
チリのバルデス財務相は、トランプ氏の発言について「明らかに統合を歓迎していない」とし、「チリでは、アメリカ大陸の統合は良いことだという根強い考え方がある。それがモノであろうと、金融であろうと、そう、人であろうとだ。だから私は、もっと歓迎されるような発言を聞けたらうれしい」と語った。