能力の低い人ほど、自分を「過大評価」する

気鋭の脳科学者が「ココロの盲点」を明かす

つまり、人は「自分がいかに気の利かない人間か」を知ることができないのです。ところが、他人が気が利かないことはすぐに気づき、指摘したり憤慨したりすることができますーー私がこんなに気を利かせているのに君はけしからん!

おそらく現実の自分は、自分に対して抱いている自己像よりも、気が利かない人間であることは間違いないでしょう。

これは気が利く気が利かないだけの話ではありません。日常生活全般において、似た状況は少なくありません。結局のところ人は実際のレベルよりも自分を高く評価することになります。

「平均より~ですか?」と質問すると・・・

たとえば、日常的に車を運転する生活を送っている人に訊いた調査結果があります。

「あなたは平均よりも運転がうまい方ですか?」。この質問のポイントは「平均より」という点です。抜群に優れている必要はありません。あくまでも平均に比べたら「まあマシな方かどうか」という判断です。

このアンケートの結果は驚くべきもので、なんと70%の人が「私は平均以上です」と答えるのです。70%という値は平均値の概念にそぐいません。つまり、多くの人が「自分は平均以上にデキる」と勘違いしていることがわかります。

ただし注意してください。このデータは、正しく自己評価できている人がいないと主張しているわけではありません。

では、どのような人が正しく自己評価でき、またどのような人が自己評価を誤る傾向があるでしょうか。そんな研究をしているのが、コーネル大学のダニング博士とクルーガー博士です。

たとえば博士らは、ジョークを楽しむ能力について調査しました。

ユーモアは洗練された知識と機知がないと理解できません。65名の大学生を対象に、30個のジョークを読ませ、どれほど面白かったかを評価してもらいました。この点数でユーモアの理解度がわかります。これと同時に「あなたのユーモアの理解度は同年代の中でどのくらいに位置していると思いますか」と訊きました。

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