二面性を抱えて驀進する中国経済の懸念点 消費は有望だが、製造業は過剰設備が重荷に

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だが、少し危なっかしい気もする。中国国内で過剰設備が出来上がったのは、官民が一体となって採算を度外視した投資を続けてきたからではなかったか。これを海外に拡散することは、不良債権を輸出することにつながりかねない。

日本の経験に照らし合わせれば、過剰設備の解消には時間がかかるもの。こういうときに「一打逆転」を狙うと、たいていは悪手となってしまう。本来はここで、地道な「選択と集中」による調整期間が必要なはずなのだが。

いずれにせよ今後の中国経済は、「構造問題を抱えた製造業と、好調さを維持する非製造業」という二面性を抱えたままで驀進を続けることになりそうだ。

ショウナンマイティの実力は侮れない

毎度おなじみ、ここから先は競馬ファン限定のコーナーとなる。

今週末のAJCCは「アメリカジョッキークラブカップ」の略。よく似た名前にACCJという組織があって、こちらは在日米国商工会議所のこと。日米関係マフィアにとってはなじみ深い名前なので、昔から紛らわしいなと思っている。

AJCC、もしくはAJC杯では、中山競馬場2200メートルを舞台に一線級の古馬が激突する。過去にはマツリダゴッホ、トーセンジョーダン、ルーラーシップなど癖のある馬が勝ってきた出世レースだ。ついでに言えば、高配当になることも多い。

重賞勝ちのある実績馬を探すのがこのレースの王道だ。サトノラーゼンやディサイファが人気になっているけれども、そんなに単純ではないと見た。昨今の金融市場と同様に荒れるのではないか。

そこで久しぶりのショウナンマイティを指名したい。2014年安田記念以来の再登場で、その時はジャスタウェイ、グランプリボスに次ぐ3着だった。当時の有力馬がほとんどいなくなった今、8歳とはいえその実力は侮りがたい。週末の中山の天気が崩れそうなことも、この馬にとっては好材料。そしてマンハッタンカフェ産駒は不思議と冬場によく走る。

今の倍率であれば、複勝でも十分に妙味がある。ショウナンマイティを含めた三連複で高配当を狙ってみるのも一興だろう。マーケットとは違って、競馬の波乱は大いに歓迎するところである。

かんべえ(吉崎 達彦) 双日総合研究所チーフエコノミスト

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Kanbee

吉崎達彦/1960年富山県生まれ。双日総合研究所チーフエコノミスト。かんべえの名前で親しまれるエコノミストで、米国などを中心とする国際問題研究家でもある。一橋大学卒業後、日商岩井入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員や、経済同友会代表幹事秘書・調査役などを経て2004年から現職。日銀第28代総裁の速水優氏の懐刀だったことは知る人ぞ知る事実。エコノミストとして活躍するかたわら、テレビ、ラジオのコメンテーターとしてわかりやすい解説には定評がある。また同氏のブログ「溜池通信」は連載500回を超え、米国や国際政治ウォッチャー、株式ストラテジストなども注目する人気サイト。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『アメリカの論理』(新潮新書)など多数。競馬での馬券戦略は、大枚をはたかず、本命から中穴を狙うのが基本。的中率はなかなかのもの。

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