SMAPメンバーのような立場ですと、もはや自分の考えだけで出処進退を決められない部分も大きいことと思います。ただ、浅田真央選手の記事に書いたように、「後悔」は一生自分を攻撃し続ける原因になります。
最悪の事態も想定して大胆に行動するのか、リスクを取らずに今の場所から再成長を目指すのか。「後悔」が大きくなってしまうのはどちらか、それは人によって異なります。だからこそ、さまざまな角度から目の前の選択肢を検証することが、自分の感情面へのフォローとなるでしょう。
そしてどんな決断をしたとしても、人生の大事な時間をともに過ごした仲間として、お互いの決断を尊重できる関係でありたいものですね。アイドルグループに限らず、ロックバンド、プロスポーツチームなどでも、離脱したメンバーが暴露本で別メンバーを名指し批判をしたり、解散後にいざこざが起こったり……。そうなってはお互いが不幸です。
人の短所、欠点を探し始めたらキリがなく、そこから怒りが芽生え、さらにその怒りが持続・成長すれば、恨みや憎しみになります。人気グループのメンバーが解散後に薬物に走ってしまった……なんて事態も、このような怒り、憎しみが増幅し、ひいては悲しみ、依存などに変わっていくことと、無関係ではないでしょう。
SMAPの場合、(現段階での話ですが)メンバー間で違いが出ているポイントは「恩人への感謝の示し方」ですので、上記のような心配は杞憂かもしれませんが、各人がどんな道を選ぶにしても、お互いを憎み続けるような顛末にだけはならないでほしいものです。
「尊敬」から「相乗効果」へのコミュニケーション
SMAPの信頼関係の強さを示すエピソードとしては、2014年夏のフジテレビ系特番『武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ』で、元メンバー・森且行さんから送られた手紙が印象的です。以下はその一部です。
こうしたやり取りができるのは、お互いの仕事や人格を心から尊敬できているからだと思います。
前回、IT企業の役員兼お笑い芸人として活躍する厚切りジェイソンさんを取り上げた記事では、「I’m OK, You are OK」と、お互いを尊重するアサーティブコミュニケーションの手法を紹介しました。こうしたコミュニケーションも、互いへの尊敬があれば、より効果を増すはずです。
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