指示の仕方を変えると部下の成長が加速する 経験学習を体得した社員は圧倒的に強い

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「目的は理解してもらい、やり方は任せる」という任せ方をされると、部下は当事者意識を持って仕事に取り組むことができます。人間、本気で取り組んだ経験からこそ、多くのことが学べます。当事者意識を持って行った仕事は、成功経験も失敗経験も、次につながる貴重な学びとなるのです。2つ目は、成長機会の意識化です。

任せ方2.0では、「意義づけ」のステップで「個人としての意義」を伝えます。これがうまく伝わっていれば、部下は「自分はこの仕事を通して、こんな成長をしよう!」と明確に意識をして、仕事に取り組むことができます。結果、得られる学びが大きくなるのです。

経験学習を実践し習慣化している社員とそうでない社員には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

経験学習が習慣化していない社員は、「いろんな経験しても、できる人はできるし、できない人はできない」と考えているため、後ろ向きな言動が目立ちます。口癖は「ついてないなー」「○○さんは優秀でいいよね」など現状への不平不満が多く、仕事で失敗した場合には「飲みに行く、遊びに行く、早く寝る」などして、その失敗をすぐに忘れようとします。なるべく楽に済ませられる仕事だけをやって、失敗はしたくないというスタンスです。

これに対して、経験学習が習慣化している社員では「失敗も成功も、どんな経験も今後の糧にできる」という前向きな考えを持ちます。発言には「いい経験になりました」「次はこうしようと思います」などのポジティブなものが多く見られ、仕事で失敗した場合には「何が悪かったのか分析をし、次はどうすればよいか対策を立てる」という未来志向の行動がみられます。

経験学習の習慣化で、好循環を生み出す

このような経験学習の習慣が身に付くと、管理職である皆さんと部下との間で好循環が生まれてきます。前述したとおり、経験学習を習慣化している部下は「経験から学ぶ」という姿勢が身に付いているので、ある程度チャレンジングな仕事にも前向きに取り組めるようになります。たとえチャレンジングな仕事で失敗をしたとしても、次への成長の糧にできるからです。さらに、一度経験した失敗からきちんと学習するので、同じような失敗を繰り返すことがだんだんと少なくなります。

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