20種類のアミノ酸のどれかひとつをサプリなどで増やすと、逆にアミノ酸の体内バランスは崩れてしまうという。では、免疫機能を強化するために、アミノ酸をうまく活用するにはどうすればよいのか。
「グルタミンは免疫細胞のエネルギー源になり、アルギニンは免疫細胞の生まれ変わりに必要なポリアミンを合成します。また、トリプトファンを材料に作られるメラトニンは、抗酸化作用によって免疫機能を上げるのです。これらの働きにはビタミン類がかかわっているため、アミノ酸のもとになるタンパク質に加えて、ビタミン類を多く含む野菜なども合わせて食べることが必要といえます」(油原氏)
インフル予防では、ビタミン類の補給も欠かせないといわれる。しかし、ダイエットなどでサラダや果物ばかり食べていても、タンパク質によるアミノ酸は補給されない。肉類や野菜類のどちらに偏っても、体内の免疫力を低下させてしまうのだ。
タンパク質とビタミン類のバランスが大事
「ビタミン類がよいからといっても、それだけでは、人間の身体はうまく機能しません。たとえば、ガン患者さんの中には、自然食療法を勧められてたくさん食べるかたがときどきいます。自然食だけでガンを食い止められると思い込まれているようですが、残念ながら、思いどおりになるほどガンは甘い病気ではありません。人間の体にとって、ひとつの栄養素にこだわるのではなく、バランスこそがとても大切なのです」(黒川医師)
つまり、タンパク質とビタミン類をバランスよく補給することが、免疫強化のカギなのだ。すでにインフルやノロの流行のシーズンの中、免疫力の強化と体力の維持は待ったなしの状況にある。忙しい毎日の食事で、効率よくアミノ酸の体内バランスを整えるには、どうすればよいのか。
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