「5分遅刻」で信用をなくす人に足りない視点 逆算式で遅れない!ANA社員の時間術
「スムーズに稟議や企画を通したいなら、上司から質問や指摘を受けることを前提に準備しておかなければいけません。反対されることも考慮しながら想定問答を考えておき、修正する時間も見込んでスケジュールを組んでおくことで、初めて予定どおりに仕事が進みます。上司からは『俺の質問を3つくらいは打ち返すくらいの準備をしておけ』とよく言われました。3つ打ち返すには、当然、10個打ち返すくらいの準備が必要になりますが、多角度から考えておくことで、結果として仕事がうまく進みます」
ANAでは、「未来の何時の時点で、重要なことが予定されている。だからその何分前までに、何時間前までに、何日前までに、これを済ませておく」ということをつねに考えながら行動することを目指しており、そしてそのスケジュールを共有しようと努めています。
お客様に、運航スケジュールについて「何も感じさせない(問題があると思わせない)」ためには、当たり前に定時運航をしなければならない。そのためにANAの社員は、つねに逆算をして運航の遅れが生じないようにしているのです。
「定時退社時刻」も逆算スケジューリング
「本番」に至るまでのスケジュールを逆算して立てていると、たとえ「本番」のためでなくても仕事全般に対するタイムマネジメントの意識が高まってきます。
20年以上客室センターに在籍し、現在もチーフパーサーとして乗務している、ANAビジネスソリューション接遇マナー講師の林靖子は、オフィス業務もしていますが、その際も「定時での退社時刻」を意識し、決められた時間の中で業務を終えるよう、逆算して仕事をしていると言います。定時退社時刻を、フライトに見立てて考えるのです。