タイで沸騰!「日本旅」番組が超人気のワケ 佐野さんは、タイで今もっとも有名な日本人

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「あと、市場で話し掛けることもしていました。どんなときに話し掛けても喜んで話してくれる、タイだからこその習得法ですが、自然なタイ語を身につけるためには、とても効果的でした。日本だったら、仕事中に話しかけて来ないで、あなたと話す時間はありません、と言われてしまいそうですが(笑)」

タイ人は何を知りたがっているのか?

日本語はもちろん、タイ語も流暢に操る佐野さんは、番組内でもひたすらリポートしていく。食リポと呼ばれる、料理を食べて、その味や特徴を伝えるリポートはもちろん、時には日本でもあまり知られていないような場所や文化も、タイ人に分かりやすく、語りかけるように説明していくのだ。

力士を取材するひろさん

「例えば、タイ人は鮨だけでなくワサビも大好きなのですが、なぜ日本人がワサビを食べるかということも説明します。殺菌作用があったり、生魚の臭みを取ることができたり、日本人がすることには一つひとつ理由があるのだと伝えた方が興味を持ってくれる。へぇ、すごい!と驚いてもらうトリビアを散りばめておくんです」

リポートする内容は、タイ人が何に惹かれるか、どんなことを知りたいかを考えながら、決めていく。ときにはバラエティ番組のような、笑いも入れながら。

タイ人に受け入れられる、もうひとつの理由。それは、タイ人の好みや気質を知り尽くしているからこその番組構成と、アピールする際の言葉の選び方だ。

「日本とタイの文化は違うので、自分はその中間のところにいることを心掛けています。日本側に寄っても、タイ側に寄ってもよくないので、真ん中にいないといけない。とにかく、タイ人に響かないと興味を持ってもらえません。

日本にはよいところがたくさんありますが、日本ってこんなにすごい、タイももっとこうした方がいいのでは?という「上から」な印象になってはいけないんです。そうなると、タイ人もよい気持ちはしないし、見てくれない。日本って素晴らしいところだけれど、凝りすぎていたり、ちょっと変なところもある。そのことを、タイ人が興味を惹くように伝えていく。すべて、バランスが大切なんです」

日本側が伝えたいこと、知ってもらいたいことと、タイ人が知りたいことが同じとは限らない。タイ人観光客を呼び込みたい観光業や自治体のスタッフと、意見が食い違うこともあるが、違うと思った時にはハッキリ別の提案をするという。

紹介する地域、観光スポット、食事のメニュー、その撮り方などは、タイ人スタッフと相談しながら決めていく。ここでタイ人の感覚を取り入れていることも大きいのかもしれない。

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