タイで沸騰!「日本旅」番組が超人気のワケ 佐野さんは、タイで今もっとも有名な日本人

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タイのテレビプロデューサーから、日本を紹介する旅番組をやってみないかと打診されたとき、すぐに引き受けたのは、この気持ちがあったから。タイトルは途中で変わったものの、日本を旅しながら紹介していく番組を続けて、まもなく10年になる。

タイでは有名でも、日本では全く無名の番組。最初は、日本の寺社などからも断られたというが、今は自治体などからの売り込みも多く、状況は一変。タイ人観光客が増え、タイ国内で有名な番組であると認知されるまでは、苦労も多かったという。

「タイのテレビ番組で…と伝えて、台湾ですか?と聞かれなくなったのは、ここ最近ですよ」と笑う佐野さん。彼が制作する旅番組がタイ人の心をつかんで離さないのには、理由がある。

語学を本格的に勉強したのは25歳から

佐野ひろ●2001年よりタイを拠点に俳優活動を始める。今までに多くのタイのテレビCM、ドラマ、映画に参加。2007年より映像制作会社GUZENを立ち上げ、現在も代表を務める。日本政府観光局(JNTO)バンコクより、Japan Tourism Award in Thailand 2014 特別賞受賞。

多くのタイ人ファンがいる『すごいジャパン』の番組内容は、日本国内にいてもYouTubeの公式サイトから見ることができる。

番組では、佐野さんが軽快なトークを交えながら、その土地のことを紹介していくのだが、見事に日本語とタイ語を使い分けながらリポートしていく。彼がここまでタイ人に受け入れられているのは、日本人でありながら自然なタイ語を流暢に話す、ということがひとつめの理由だ。

端正な顔立ちで一見、日本人とタイ人のハーフかと思う人もいるかもしれないが、彼の両親ともに日本人。タイ語を本格的に勉強し始めたのは、25歳のときだという。いったいどうやってタイ語を習得したのだろうか。

来たばかりの時は、英語と片言のタイ語でコミュニケーションを取っていたという佐野さん。だが、監督が話す早口のタイ語も聞き取れないと仕事にならないと痛感し、一念発起して勉強することにした。最も意識したのは、多くのタイ人が話す、自然な言葉を身につけるという点だ。

「語学学校にも通いましたが、そこで教わるのは教科書に登場する綺麗なタイ語。文法的には間違いのない文章ですが、やはり町の人が話す自然なタイ語ではないんです。そこで、タクシーに乗って、運転手とひたすら話す…という方法をとりました」

渋滞がひどいけれど、タクシー運賃はとても安いバンコクでは、1時間ほど乗って、たくさんしゃべっても日本円で500円しない。安い語学学校だと思って、タクシーの運転手とひたすら話すことを続けたという。

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