アフリカは、世界の食料庫になりうるか?

ドラマチックすぎる、アフリカの農地開発

ところが、コンゴを含めたアフリカの多くの地域では、土地(特に田舎の土地)は、法律的には政府が所有しているものの、実際の土地の管理は、地元住民のコミュニティに任されています。ですので、土地を取得する際は、まずは、住民コミュニティの代表(大抵は部族長)と話し合い、合意をします。その合意内容を、政府に伝えると、土地使用権の登録が行われ、たとえば、向こう99年間の土地利用を許す、といった契約が結ばれるのです。

部族長と交渉、と聞いて、僕は興奮しました。テレビ番組の秘境スペシャルで見るような、半裸の狩人みたいな人が出てくるのか。

「部族長に、どうやって土地交渉が行われたか、インタビューしてみたいのですけど……」と、おそるおそるお願いすると、起業家は、部族長のお宅訪問を企画してくれました。

会社がある大きな町から、車で走ること1時間半、農園のそばの部族長が住む村に到着します。

部族長の方の家に伺うと、自動車や発電機などもあって、豊かそうです。円形の藁ぶきの集会場があり、そこで部族長を待ちます。

予想外? 話のわかる部族長

5分ほどして部族長が、コールテンのジャケット、コンゴの現地デザイン布の腰巻き、といういでたちで現れ、われわれは慣習に従いうやうやしく両手で握手します。アフリカ5年目で、初めて部族長と名のつく人に会うわけで、なかなか緊張しました。時間をいただいたお礼として、コカ・コーラ20缶を差し入れます。

部族長の住む村。電気も水道もない

ミーティングでの部族長のコメントはリーズナブルなものでした。

「交渉は、住民たちを巻き込む必要があり、時間はかかった。しかし、最後は皆が納得する条件であった。あなた方は農業を営んでいるわけで、すぐに利益が出ないことはわかっている。だからわれわれとしても、CSRとして、やれ学校を作れ、やれ病院を作れ、などといきなり過大な要求をするつもりはない。御社が村人に雇用を生み出していることに感謝しているし、御社の農場と共に、この地域コミュニティも成長していきたいと思っている」

大企業が地域に入ってくると、あたかも企業が打ち出の小槌であるかのように、無茶な要求をするケースもありますが、こんなまともなコメントで一安心。

土地取得の際、もめごとはありましたか?と聞くと、「ひとりむちゃな村人がいて、猫の額ほどの小さい畑の代償に、ミニバスを4台よこせと会社に要求して、裁判に持ち込んだ者がおった。当然、裁判では要求が認められず、企業側の勝訴に終わった」、とのことでした。これを機に、儲かるバスビジネスを始めようとしたその人の気持ちはよくわかりますが、さすがにやりすぎですよね。。

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