文部科学省が集計している「大学生の就職率」は、近年の大学生の売り手市場を背景として、過去最高を記録し続けてきたが、「平成30年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)」によると、2019年卒の就職率は、前年より0.4ポイント低い97.6%だった。
「実就職率」は大学院進学者除く卒業生が分母
調査対象校が62校と少ないうえ、就職希望者に対する就職率なので、実態より高くなる傾向にある。そのため、就職率が上限に近づき高止まりしているようだ。
一方、大学通信では、医学科と歯学科の単科大学を除く全大学を対象にし、卒業生数から大学院進学者数を除した学生をベースとして算出した実就職率(就職者数÷<卒業者数-大学院進学者数>×100で算出)を調査している。より実態に近い就職率が把握できるからだ。集計した全大学の実就職率は年々上がっており、2019年卒は前年を0.7ポイント上回る89.1%となった。
好調な就職環境が続く中、実就職率が高かった大学はどこか? 卒業者数1000人以上の大学を対象にした「大学実就職率ランキング」で比較してみよう。
大学生の売り手市場を背景に高まった実就職率をさらに伸ばすのは大変なこと。そうした中でも、ランキングのベスト10に入った大学の内、3年連続トップの金沢工業大学と5位の福井大学、前年の卒業者数が1000人に満たずランク外だった6位の安田女子大学を除き、すべて順位を上げている。その中でも伸びが最も大きかったのは、国際医療福祉大学で前年の29位から7位にジャンプアップしている。
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