【産業天気図・証券業】金融危機直撃でまさにどしゃ降りの「雨」が続く。リストラ、大型再編も進む


 ただ、メガバンク3行は、いずれも日興コーディアルをすんなりと買収できる状況にはない。

一つは、各グループ内での既存の証券会社とどう並存させるかという問題。MUFGは傘下の三菱UFJ証券と、出資先の米モルガン・スタンレーの日本法人との連携を模索。統合も検討しているとされる。みずほFGは、当初08年1月に予定していた傘下のみずほ証券と新光証券の合併を、ようやく今年5月に完了する見込みとなった。SMFGは法人専業証券として、大和証券グループ本社と合弁で大和証券SMBCを展開。メガバンク3行ともが、日興コーディアルを買収できたとしても、その後の連携や融合の効果を見出していくハードルは低くない。

もう一つの要素は、資金的な問題。欧米の大手金融機関と比べて相対的に傷の浅い国内メガバンクだが、それでも外国債や株式の巨額減損や、不良債権処理費用が拡大し、資本的な余裕は低下している。

ただ、シティは日興コーディアルだけでなく、法人専業証券の日興シティグループ証券も売却するとの観測も浮上している。そうなれば、メガバンクが日興グループの主要部門をまるごと傘下に収める可能性も出てくる。あるメガバンクグループ関係者は、「日興を取り込んだ銀行グループが、証券分野の規模では野村に次ぐ2番手として頭一つ抜ける」と話す。日興の行方は、証券界の勢力図を大きく塗り替える可能性がある。

(武政 秀明)

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