「新天地で活躍できる人」が持つ3つの切り札 意気込みが空回りする「1月病」に陥らないで

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上司への提案、社内の調整の仕方がいちいち違う。基本、個人プレイで成果を出していればよかった前職と違い、周囲を巻き込みながら業務を遂行することが求められる。作成する資料の量もケタ違いに多い。周囲の人ほど分析や資料づくりのスキルもない。土地勘がない中にあって、業務マニュアルが完璧にあるわけでもない。誰に何を聞けばよいのかもわからないし、上司は不在がち。

でも、彼にはプライドはある。年下に「何度も教えてください」と言うのは気が引ける。上司・先輩に何度も聞いて、「こいつ、できないのでは」と思われるのが内心気に食わないし、怖い。自力で「あの人はできる」と認めさせたい。

新しい環境になじむことを最優先しよう

だから、自分が納得できる成果を出してから周囲と共有したいと思っている。で、仕事を抱え込む。しかし、周囲の的確な指摘やフィードバックを得られないので成果が出ない。徐々に孤立。悪循環だ。

あなたの過去の成果はすばらしい。でもそのことは、そっと横に置いておこう。わからないことがあれば聞けばいい。聞けないなら聞ける関係を作ればいい。年下だろうが年上だろうが、関係ない。いかに早く環境になじむかのほうが大切なのだから。プライドにこだわるのをやめたら状況がすぐに好転したという人は多い。

誇りを持って仕事に臨むのは大事だが、プライドを追って成果を出せないのは本末転倒。正直いえば、誰も、新参者の「チンケなプライド」に興味を持っていない。周囲と目線をそろえ、周囲から助けを得よう。

最後に、新天地でのスタートがうまくいくかどうかは、受け入れる側の態度や姿勢によるところも大きいことを伝えたい。そう、新しく入ってきたあの人は、「仕事ができない」のではなく、単に「やり方を知らない」だけなのかもしれない。そのことを忘れないでほしい。

今の環境と前の環境は何が違うのか、自分が相手になったつもりになってみよう。受け入れる側のちょっとしたアドバイスが、プライドと現実のはざまに悩む本人には大きな支えになる。躊躇せず手を差し伸べてほしい。

徳谷 智史 エッグフォワード 代表取締役

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とくや さとし / Satoshi Tokuya

京都大学経済学部卒業。企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。大手戦略系コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、「世界唯一の人財開発企業」を目指し、エッグフォワードを設立。総合商社、メガバンク、戦略コンサル、リクルートグループなど、業界トップ企業数百社に人財・組織開発やマネジメント強化のコンサルティング・研修など幅広く手がける。近年は、先進各社の働き方改革、AI等を活用したHR-Tech分野の取り組みや、高校・大学などの教育機関支援にも携わる。趣味はハンドボール、世界放浪等。ご相談・取材・執筆・講演依頼はこちら

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