竹中平蔵氏「僕が会いたい5人の偉人」 惚れる!歴史のリーダーの「ここ」に学べ

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そのためにも、リニア新幹線の早期開業が望まれます。鉄道建設支援機構が開発し、JR東海の子会社に運営権を設定する「コンセッション方式」を採用すれば、税金投入なしで実現させる道筋もあると思います。

リニアが開通すれば、現在、飛行機で大阪に移動している人の多くがリニアを利用する可能性があります。東京‐大阪間の飛行機は現状、1日二十数本が運航していますが、それが減れば滑走路に空きができ、ソウルや香港など、別の都市に飛行機を飛ばすことができます。

さらに、羽田まで新幹線を延伸すれば、地方の方も、海外からの観光客も、国内移動がラクになります。

世界最大のイノベーションエリアを作ること、アクセスを良くして観光地としての魅力を高めることは、日本の成長性を高めるために必要なことです。後藤新平がいたならば、必ずやそういう発想をすると思います。

あの人が今いたら、どういう発想をするだろう。そう考えるのは楽しいですし、時に大きなヒントが得られることもあります。

批判され、戦うのが、偉人の共通点

歴史上の偉人たちを思う時にいつも感じるのが、多くの偉人には2つの共通点がある、ということです。

ひとつは、すさまじい批判にさらされている、ということ。そして、その批判と強烈に戦ったということです。

新しいことをやろうとすれば、既得権益の中で心地よく生きている人は必ず反対します。会社の中でなにかしらの改善などを提案するという場面でも、必ず反対する人はいるはずです。戦わずして改革は成し遂げられず、戦うには世の中をよくしたいという真面目さ、パッションが必要です。

ウッディ・アレンの映画に「ミッドナイト・イン・パリ」という作品があります。主人公が1920年代のパリに迷い込むという設定で、ダリに会ったり、バーでヘミングウェイを紹介されたりする、実に楽しい映画です。

もし歴史上の人物に会うことができるなら、私は、オペラ・セビリアの理髪師など、数々の名曲を遺したイタリアの作曲家「ジョアキーノ・ロッシーニ」と会ってみたい。30代で最後のオペラを発表したのち、40代で音楽会を引退。隠居生活ののち、60代でレストランを経営します。音楽と、食べること。人生そのものであり、まさに人生を謳歌したのです。私は酒を飲みませんが、ロッシーニと酒を酌み交わし、人生について話してみたいものです。

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