販売については、両社とも年末年始と2~3月がピークになると見込む。以前は11〜12月がピークだったが、就活時期の変化はピーク時期の変動をもたらした。
年末年始は、帰省の際に親とスーツを買いに訪れる学生がターゲットだ。青山は年末年始の時期、地方の店舗に本社スタッフや都心部の店舗の販売員を応援として送り込むほか、フレッシャーズ商戦でもともと繁忙期である2〜3月もスタッフを増員して就活生の対応にあたる。
同社は400校以上の大学と「アカデミー提携」を結んでおり、提携大学の学生にはカードを発行し、割引価格で購入できるという。
AOKIは「究極の就活スーツ」を年末から発売し、冬物と春・夏向けの両方を合わせて購入してもらう戦略。同社も帰省中の学生とその親に向け、初売りの時期に力を入れる。
また、1月末からは大学近くの店舗などを中心に、店舗内の就活生向けコーナー「就活ステーション」を設置し、スタイリストを常駐させる。学生に年齢が近いスタッフを配置することで、相談しやすい体制をつくるという。
男女とも「無地の黒」が人気
では、就活向けのスーツを揃える際にはどこに気をつければいいだろうか。就活のスーツといえば話題になるのは「色」だ。現在の流れは、男女とも「無地の黒」が圧倒的だと両社の担当者は口を揃える。就活スーツという「勝負服」であえて冒険する必要はないという学生の意識の表れだろう。
だが、わずかながら濃い紺色のスーツで臨む学生も出てきているという。「夏場は黒よりも紺のほうが多少は涼しく感じるかもしれない」とAOKIの池さん。いずれにしても基本は「濃い色の無地」だ。青山商事商品副本部長の前川義之さんは「面接のときスタイル良く清潔感があるように見えるのは濃い色」だと話す。
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