失敗しない就農ガイド、新規就農者の7割が農業だけでは生活できていない


その後、冒頭のサラダボウルで行っているような短期の農業研修に参加するのが一般的だ。農業法人や研修生を受け入れる農家に1~6週間泊まり込みで滞在するケースがほとんど。就農先によっては事前研修として義務づけているところもある。

その後、1~2年程度の本格的な研修に入るが、研修の形は主に三つ。一つは、自治体による新規就農支援プログラムを活用するもの。独自の研修センターを保有する自治体もあるが、自治体内の先進的な農家が研修先となるケースが多い。就農先はそのままその研修先の自治体となるケースがほとんどで、研修中の生活費を支援してもらえる場合もある。

二つ目は、農業大学校や就農準備校といった農業専門の教育機関で学ぶ方法。充実した教育体制が整備されており、理論学習に加え、実習も行われる。

農業生産法人に研修生という形で入るのも選択肢の一つだ。先述の二つは研修開始時期が年1回など限られているが、一年を通して受け入れてくれる点が大きな違い。法人数も1万以上あり、選択肢は多い。

ただ、注意しなければならないのは長期にわたる研修の体制が整っているかどうか。同じ作業を繰り返す毎日で、独立を前提とした研修ができない場合もある。また、就職の際には社会保険の加入の有無をしっかりと確認しておいたほうがよい。

就農の際、一番の難題が農地の確保。土地の売買や貸借に関しては農地法の制限があり、権利移動の要件を満たすとともに、地域の農業委員会の許可が必要だ。新規就農者がその地域と信頼関係が構築できていない頃は、条件の悪い土地しか貸してもらえない場合も多い。

そのため地域とのコミュニケーションは重要。新規就農相談センターでは、地域の行事や草刈りなどの清掃活動には積極的に参加して、認められる存在になるようアドバイスしている。信頼関係が築ければ、条件のよい土地を貸してくれるようになるという。家族がいる場合は、配偶者や子どもを通した関係構築を図るのも有効だ。

(週刊東洋経済2012年7月28日号より)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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